北のS班コンビが魅せる
競輪祭が終わってグランプリ出場が確定した脇本雄太、清水裕友、眞杉匠は欠場になり、上位は脚力伯仲の激戦となった。
シリーズで主役を演じて盛り上げるのは新田祐大、守澤太志の北日本SS班コンビだ。獲得賞金ランク第10位で入った競輪祭では準決で無念の敗退となった新田だが、一次予選1、一次予選2、ダイヤモンドレースと3連勝している。先行とまくりを使い分けた自力攻撃が冴え渡っていて、動きは申し分なかった。守澤はダービーでの大怪我の影響が思いのほか長引いて苦しい一年となったが、最後は意地を見せて新年に繋げたい。今年はSS班を維持する成績を残せなかった両者の奮起は見もの。2人ともこの大会はV実績があるし、ライバルの多くが欠場になった以上、期待されるものは当然大きい。
11月四日市記念で脇本らを破って地元エースの責務を果たすVを達成した浅井康太の存在も光る。競輪祭では未勝利に終わったが、今年は4月四日市G3、6月大垣記念でも優勝しているようにG戦線でまだまだ一線級の活躍を見せている。ヤンググランプリ出場が決まっている志田龍星や藤井侑吾が勝ち上がれば目標にし、不在なら自力自在戦でVを目指す。
地元の九州勢は北津留翼、園田匠、山田英明らが有力なV候補となる。北津留は競輪祭❺着と決勝に進出。準決は正攻法の新山響に突っ張られて8番手に置かれたが、最終2コーナーを立ち直ったところからまくり上げたスピードは素晴らしかった。当所は6月に参戦して3連勝、9月は❷着とバンクとの相性もいい。同期の新田ら強敵相手でも怖い存在となろう。
眞杉が不在になっても関東勢はとにかく戦力が豊富だ。坂井洋、森田優弥、佐々木悠葵、宿口陽一らVを狙える好脚がズラリ。エース格の坂井は競輪祭の一次予選2で犬伏湧を撃破して勝ち星をゲットすると、5日目の特選では先行して2着に粘っている。自慢のダッシュを生かすべく仕掛けが遅くなった時期もあったが、再びいつでも先行して勝負する姿勢を取り戻して一段と凄みを増した感がある。結束できるようだと他地区勢を寄せ付けない。
競輪祭でも準決に勝ち上がった岩本俊介も侮れない。番手戦も増えてきたが、一発の魅力は健在。内藤秀久との南関ラインにも警戒が必要だ。
グランプリに出場する松浦悠士がここを走るようなら文句なく本命に推したいところ。今年はオールスターで落車し、約1カ月半欠場。10月熊本記念in久留米から復帰後はなかなか調子が上がらなかったが、もう心配はいらない。競輪祭❸着の動きはタテヨコ隙のない松浦らしさが戻っていた。勝ち上がりによっては佐々木豪、松本貴治、小倉竜二ら強力四国勢との連係も視野に入るので出方はメンバー次第となるが、主役を演じて大一番に向かうか。