強豪そろうも古性優を信頼
ビッグレースで存在感を示している健脚がそろい熾烈なV争い。ひと筋縄ではいきそうにないが、軸として最も信頼性が高いのは古性優作だ。今年も輪界を代表するオールラウンダーに相応しい走りを披露している。全日本選抜、ウィナーズカップでは危なげなく優参を果たし、ウィナーズカップは準V。G3では1月和歌山記念、3月松山記念を制している。ここは連係実績の豊富な脇本雄太とのタッグでVを睨む。もちろん、脇本雄太を中心視する手も十分。今年は落車負傷もあり、今ひとつ波に乗り切れずにいたが、ウィナーズカップでは❶着。19年以来となる2V目を手にしている。初日特選は8番手から1コーナーで仕掛けると、素晴らしい加速で前団を飲み込み、後続の古性を振り切った。窓場千を目標にした決勝は、余裕しゃくしゃくの優勝とは成らなかったが、好位置をキープして直線で抜け出している。気分的にも乗ってきたはずで、ここも主役を演じる場面は大いにありそうだ。
強大な勢力を誇る関東勢も互角の戦い。大砲にはSS班の眞杉匠がいるし、地元勢は平原康多、宿口陽一、武藤龍生、中田健太、森田優弥とそろっている。練習中の落車で鎖骨を骨折。今年は新SS班としてスタートダッシュは決められなかった眞杉だが、徐々に調子を上げていき、ウィナーズカップでは毘沙門天賞を制している。準決でまた落車に見舞われたものの、続く4月川崎記念の動きは悪くなかった。当所は昨年のオールスターで初タイトルを獲得したゲンのいいバンク。地元勢に前を任されれば強気に攻める。今年は10年連続で維持していたSS班を明け渡した平原康多だが、戦える状態にはあるし、何より地元記念には抜群の実績を残している。1月大宮記念では、10回目の優勝は成らずも準V、当所記念は3Vを達成している。地元ファンの声援も力に、地元記念Vに邁進する。
深谷知広は5年ぶりにSS班に返り咲いた。今年はまだ優勝に手が届いていないものの、2月静岡記念、松山記念はいずれも3連勝で優参、ウィナーズカップも決勝に乗っている。自慢の快速を遺憾なく発揮しているので、好発進を決めてのVゲットは考えておきたい。レース巧者の和田健太郎が深谷を盛り立てる。今年はF1戦ながら2V、全日本選抜では準決にコマを進めていて、相変わらず差し脚は切れている。出番が巡ってくれば、きっちりものにできる状態にある。
もう一人のSS班・山口拳矢は、なかなか波に乗り切れずにいる印象だ。3月玉野記念❸着の動きは調子上向きを感じさせたが、ウィナーズカップを病欠すると、復帰戦の川崎記念の二次予選は、見せ場を作れずに大敗を喫した。スピードに好調時のような切れが戻れば侮れないが…。