究極のスピードバトル
競輪祭の結果いかんで評価だけでなく出走メンバーも変わってくる可能性があるが、V争いをリードするのはやはりSS班だ。中でも戦力が整っているのは北日本勢だろう。新山響平、中野慎詞と2枚の強力な先行型を擁しているし、援護役は百戦錬磨のベテラン成田和也。オールスター、寬仁親王牌をはじめ、後期はほとんどの開催で決勝に乗っていた新山ながら、優勝にはなかなか手が届かずにいた。だが、11月四日市記念では中野の逃げに乗ると、最終3コーナーから自力に転じ、久しぶりのVを手にしている。その新山はグランプリ出場が正式に決まれば欠場となるかも。その場合は中野に記念初Vのチャンス到来とみる。競輪復帰戦となった10月函館は守澤太の追撃も許さず完全V、続く11月四日市記念では4日間先行して1着。勝ち上がり戦はワールドクラスのスピードで別線を沈黙させていた。
今年は初のSS班を張るも、なかなか結果を出せてない山口拳矢。昨年はダービーをはじめ8Vを達成したのに対し、今年はまだVがない。ホームバンクの記念で意地を見せたいところだ。自力勝負が基本ながら、徹底先行で鳴らす藤井侑吾との連係が叶うようなら前を任せよう。その藤井は着実に力を付けていて、今年はF1戦ながら3V、直近4カ月の競走得点は110点台に乗せている。破壊力ある自力攻撃は別線勢に迫力とって脅威の的で好機に仕掛けて主導権を握れば、山口に地元Vのチャンスが巡ってくる。
昨年のグランプリ覇者の松浦悠士は落車負傷もあって、なかなか波に乗り切れずに一年最後を迎えてしまった印象だ。それでもG3で2Vを飾っていて、随所で底力を発揮している。自在戦を奏功させれば、あっさりV獲りは十分。桑原大志、隅田洋介らが松浦と中国ラインを形成する。
関東勢も坂井洋、森田優弥と動ける2人が軸でV候補から外すわけにはいかない。どちらもラインの前後を務められるが、若い森田が先導役を務めるのが自然だろう。森田は9月青森記念着の後、10月は実戦から離れたが、11月名古屋着、同月熊本着と調子に問題はない。いつも通り強気に前々に攻めれば、坂井の腕の見せ所だ。今年の記念開催はほぼ決勝に乗っているし、ビッグでも存在感を発揮している坂井。3年ぶりの記念V奪取があってもいいだろう。
高松宮記念杯でタイトルホルダーの仲間入りを果たした北井佑季も出走なら有力な優勝候補。最近は先手を奪っても末脚を欠く場面もあり、調子は今ひとつの感はあるが、改めて溢れるパワーを見せ付けたいところだ。競輪祭の結果に関係なくグランプリ出場権を獲得しているにも関わらずここをあえて走るなら、大一番へ向けてしっかり収穫をつかみ取る。
今年はオールスターで準Vなど、飛躍を遂げた窓場千加頼も侮れない。最近は病欠が目に付くのは気になるが、三谷竜生、南修二が続けばラインは強固。一発の魅力を秘めている。