脇本雄が豪脚を発揮

脇本雄太
高松宮記念杯では無傷の5連勝を達成。20年の和歌山大会に続き、高松宮記念杯2V目を飾った脇本雄太が人気の中心だろう。これでG1の優勝は大台の10回に乗せた。持病の腰痛の影響で、なかなか体調が整わず、成績には波があっただけに、久しぶりの完全Vで自身の状態に手応えをつかんだことだろう。決勝以外は先頭で戦ってのまくり勝ちだったが、上がりタイムは10秒8、11秒フラ、10秒8、11秒フラと次元の違うタイムを叩き出している。別線の警戒は更に高まるだろうが、今のデキなら圧倒的なスピードにものを言わせてねじ伏せよう。対照的に三谷竜生は、高松宮記念杯では確定板入り無しと振るわなかった。脇本の豪快な仕掛けに付け切って流れを変えるか。

郡司浩平 欠場
今年は充実している郡司浩平も有力な優勝候補。6月取手記念のVで、今年のG3優勝は早くも5回。高松宮記念杯でも着と力強い走りを披露している。切れ味鋭いスピードを活かした自力攻撃は破壊力満点だし、番手戦もそつなくこなす。今年の連対率は70・9%で、安定感なら今シリーズ一番だ。佐々木眞也は4月川崎記念、取手記念で決勝に乗っているものの、最近の動きは今ひとつの感がある。機動力があるので郡司の前回りも考えられるが、最近の流れから郡司に前を任せるとみるのが自然か。神奈川コンビで連独占を目指す。

新山響平
もう一人のSS班・新山響平の単にも食指が動く。6月別府記念着。決勝は先行して後続の守澤太に差されたものの、寺崎浩、深谷知らを沈黙させている。高松宮記念杯は東二次予選4着で上位進出の権利を逸したが、やや末脚が甘かったものの、評価を下げる必要があるレース内容ではなかった。持ち味であるスケールの大きな競走でVを睨む。タッグを組む渡部幸訓は、高松宮記念杯では選抜戦ながら2勝をあげた。新山が先制なら連に浮上してきそうだ。
駒数が豊富な関東勢も好勝負が見込める。SS班こそ不在ながら、この大会は67~69周年を3連覇した実績がある地元の諸橋愛をはじめ、佐々木悠葵、坂井洋、長島大介、武藤龍生と充実のラインナップ。諸橋は高松宮記念杯着。連がらみはなかったものの、東準決では2着と4分の1輪差の大接戦を演じていて、地元記念に向けて着実に調子をあげている。スピード豊かな自力型がそろっているので、幅広い組み立てが可能であり、関東勢の動向からは目が離せない。
トップクラスの選手層が薄い中部勢にあって、浅井康太の健闘は光る。ウィナーズカップ、ダービーで決勝に進出すると、青森全プロ記念は初日優秀、スーパープロピストレーサー賞で2着に入っている。年齢的にもベテランの仲間入りを果たしたが、俊敏な立ち回りと鋭い伸びに陰りは見られない。好位置キープに成功すれば連対望める。