GP最後の椅子をかけたV争い
古性優作
獲得賞金ランキング第7位までに、4選手を送り込んでいる近畿勢がシリーズをリードする。トップの古性優作、G1で2V脇本雄太、オールスター覇者・寺崎浩平、共同通信社杯を制した南修二と強大な戦力を誇っている。本来なら、今年は大会連覇を睥睨する脇本を中心視するところだが、左肘関節脱臼骨折のため、寬仁親王牌では3日目から欠場を余儀なくされた。したがって、優勝候補の筆頭は古性とみた。トップクラスのほとんどの選手が「G1を獲ってグランプリに出る」を目標に掲げている。今年は賞金ランキングでトップにいるものの、まだG1には手が届いていない。大会初Vを達成してグランプリスラムに王手をかける。
郡司浩平
ラインの総合力なら南関勢もかなりのもの。エースの郡司浩平をはじめ、岩本俊介、深谷知広、松井宏佑、松谷秀幸と実力者がズラリ。今年はG3で圧巻の6Vを達成し、ランキング第6位の郡司はグランプリ当確だが、深谷は第9位でボーダーラインに位置している。きっちり結果を出して7回目のグランプリ出場を果たしたい。機動力がある選手ばかりなので、南関勢がレースを支配する可能性は大いにありそうだ。
眞杉匠
関東勢では今やゴールデンコンビとなった眞杉匠、吉田拓矢が注目される。ダービー、サマーナイトの決勝といった大舞台でワンツーを決めているだけに、相性は申し分ないとみていいはず。この大会でV実績がある両者ともに近況はまずまずで、好連係を決めて存在感を示しても不思議ではない。
犬伏湧也、松本貴治の四国勢は、寬仁親王牌の決勝でタッグを組んだばかりだ。正攻法から下げた犬伏の反撃は不発に終ったものの、松本は的確なコース選択から直線で差し脚を伸ばして準Vと気を吐いた。賞金ランキングは松本が第10位、犬伏は第12位で、準Vでも出場権獲得の可能性がある位置に付けている。中国勢は清水裕友、松浦悠士と2枚のSS班を擁しているが、松浦は順調さを欠いていて厳しい状況だし、清水も第15位と黄色信号。だが、ワールドクラスのスピードがある太田海也は、ビッグレースで4開催続けて決勝に乗っている。オーラスで大逆転があってもおかしくない。
新山響平、菅田壱道、中野慎詞と快速ぞろいの北日本勢も侮れない。4年連続のグランプリ出場を目指す新山は、賞金ランキング第11位。最近のビッグレースでは、準決で大きな数字が続いているだけに、そろそろ流れを変えたい。
地元九州勢では、寬仁親王牌でタイトルホルダーの仲間入りを果たした嘉永泰斗に期待がかかる。あまり航続距離は長くないものの、スピード豊かなまくりは破壊力抜群。仕掛けがツボにはまれば一発怖い。
ダークホースはスピードに切れが甦った山口拳矢。昨年はVがなかったが、今年はG3の2Vを含み6Vと躍動している。好位置占めて自力を出せれば単も。