松浦悠が地元で躍動
松浦悠士
犬伏湧也
今年は落車が多く、いい状態で走れる開催が少なかった松浦悠士。なかなか波に乗り切れずにいたが、ここに来て調子は上向いている。競輪祭は優参成らずもダイヤモンドレースを制すと、12月佐世保記念❶着。決勝は犬伏湧也の逃げに乗ると、3コーナーから踏み込んで今年のG3初Vを手にしている。気をよくしての地元記念参戦となれば、大会5V目の期待は高まる。太田海也、取鳥雄吾らラインの自力型も豊富なので、勝ち上がり戦から有利に戦える公算が大きい。競輪祭は、準決で神奈川勢の2段駆けに屈して5着。ビッグレース5連続優参は成らなかった太田だが、予選の3走はワールドクラスの快速を遺憾なく発揮していた。主導権さえ握れば、別線を沈黙させる可能性が高い。取鳥雄吾はオールスター、共同通信社杯、競輪祭では準決にコマを進めていて、自力攻撃に迫力を増した印象だ。中国勢がレースを支配なら浮上してくる。
4月から新SS班となった犬伏は、グランプリ出場は果たせなかったものの、赤いレーサーパンツに相応しい激走を演じた。G3では9月奈良記念でV、準Vも3回あり、すべて最終バックを先制している。佐世保記念の決勝では、松浦悠をVに導いたが、ここは中国、四国勢ともに戦力がそろっている。連係はメンバー構成次第だろう。小倉竜二は49歳の大ベテランながら差し脚は健在。寬仁親王牌の準決では、松本貴の逃げに食い下がっての2着で決勝進出を果たした。弟子の犬伏とは競輪祭の一次予選2で連係していて、逃げ切った犬伏を好マークしてワンツーを決めている。石原颯は相変わらず勝ち星が多い。競輪祭では5日目に逃げ切って、今年の勝ち星を40勝の大台に乗せた。
新山響平は4年連続のグランプリ出場を果たせず、仕切り直しとなった。後半戦は10月松阪記念で優勝しているものの、ビッグレースではあまり結果を出せなかった感がある。佐世保記念は優参成らずの未勝利に終わっただけに、来年に向けて弾みを付けるような競走を演じたい。タッグを組む渡部幸訓は、松阪記念で新山の準Vなど差し脚好調だったが、競輪祭の決勝で無念の落車。体調が浮沈の鍵となりそうだ。
後期に入り、輝きを取り戻した山口拳矢の単にも魅力を感じる。スピードに切れが出てきて、寬仁親王牌着、競輪祭着など、G1戦線で存在感を猛アピール。好位置確保から自力を出せれば勝ち負けに持ち込める。中部の追い込み型が不在なら、中近スジで三谷将太が山口に続くか。
南関勢も岩本俊介、松谷秀幸、和田真久留とそろっている。徹底先行は不在でも駒数に不足はない。岩本か和田が先頭で総力戦か。動向には注意したい。