検車場レポート
吉本 卓仁 福岡 89期 |
細切れ戦のなかで唯一の3車のラインができあがった鈴木竜士が、武田豊樹を連れて打鐘手前で主導権を握る。関東ライン3番手で粘っていた簗田一輝が引くと、今度は単騎の岡崎智哉がインを進出。内をすくわれて対応ができなかった武田を最終ホームから踏んだ松岡貴久が乗り越えて、逃げる鈴木をとらえる。松岡のまくりをきっちり追走した吉本卓仁が、余裕をもって交わした。
「(松岡)貴久に任せていたし、アイツのトリッキーな動きに付いていけるか心配だった。踏み出し、踏み出しでちょっと口が空いたけど、昔よりは空いてなかった。(番手に)慣れたというより、脚が戻ってきているんで楽に感じる。それで余裕もあった。ただ、(番手で)いつもより緊張感はあった。自分も、(前の時は)あれぐらい走れるように」
「ラッキーでした、展開がね」とは、岡崎の動きを見極めながら、落ち着いてまくった松岡貴久。
「(最終ホームで岡崎が降りてから)内に行ったし、楽な展開でした。自分ですか? 出足は問題ないけど、末が甘いかなっていうのがある。楽に(吉本に)差されたし」
まくった九州コンビを追いかけた簗田一輝は、最終2センターで武田と絡みながらも直線で伸びて3着。
「もったいない。(最終ホームで)4番手を取り切ってたら、(小埜正義と)ワンツーだったと思う。せっかく付いてくれたのに、自分の組み立てが甘かった」
最終2コーナー手前で岡崎にすくわれた武田豊樹は、厳しい流れを踏ん張って、どうにか準決につなげた。
「なんにもできなかった。内、外で…。内から(岡崎が)すごいスピードで踏んできたし、(鈴木)竜士が転ばなくてよかった」