検車場レポート
浅井 康太 三重 90期 |
赤板ホームから上昇した松本貴治が打鐘前から誘導員を下ろすと、そこをすかさず根田空史が叩いて主導権を握る。出られた松本は車間を詰めた勢いでバックまくり。6番手外併走から松本の仕掛けに続いた浅井康太は3コーナーから内に切り込むと、香川雄介をドカして外に持ち出し直線鋭く突き抜けた。
「松本君のヤル気次第。それで僕らの作戦も変わると思ってたら、松本君がすんなり出させたんで。松本君が合わされると思ったんで外に行くより内と思った。前回(全日本選抜)、準決勝で失敗してる分、ここで吉田さんとワンツー決められたのは大きい。決勝も力勝負ができればチャンスはあるのかなと思うし、やれれば先行も含めて考えます」
2着に続いた吉田敏洋はトリッキーな浅井の動きを苦笑いで振り返る。
「危ねえ~。浅井はどこ行っちゃうのかと思った。締まってビビった。根田のラインは止まってるだろうし、あとはお願いだから空いてくれと。伸びた? 僕は脚使ってないですから。珍しく何やってんだ浅井って感じだったけど、浅井の感性があってのことだと思うし、僕は結果オーライですよ。任せた以上、こういうのも勉強ですね」
バックからまくった松本貴治は渡邉晴智のけん制を耐えて、3着で決勝戦最後の切符を手に入れた。
「ジャンのとこですね。出てから根田さんが思った以上に早く来たので合わせられなかった。4番手に入ってからは整ったらすぐ行こうと思って仕掛けました。後ろに入ってからも脚が回り切って、それ以上は回んない感じだった。あそこから踏み上げられれば香川さんと乗れてたかも。感じとしては悪くないと思う」