検車場レポート
児玉 碧衣 福岡 108期 |
昨年の8月コレクション「ガールズドリーム」、12月の「ガールズグランプリ」。賞金女王を決定づけた2度の優勝はともにまくり。それだけに「逃げをつけて勝ちたいですね」と、児玉碧衣が積極策を意識して臨んだ33バンクでの大一番だった。
「なにがあってもカマす予定だった。(佐藤)水菜ちゃんの動きを見て、スピードをもらった勢いでカマせた。自信はあったので、自分を信じて走りました」
打鐘手前から踏み込んだ高木真備を、前受けの田中まいが突っ張る。そこに佐藤水菜も襲い掛かるが、児玉が有言実行の積極策。打鐘の4コーナーから持ち前のダッシュを利かせて、先行バトルにあっさりカタをつけた。
「(出てからは)ちょっと安定しなかった。フラフラしましたね。(尾崎)睦さんが付いて来ているのがわかったんで、ゴールまで踏むイメージで頑張りました。睦さんの前輪が見えたんで、そこは意地でした」
同期の後位に照準を絞った尾崎が、踏み出しは離れながらも児玉との車間を詰めて忍び寄る。半車身まで詰められたが、力の違いを見せての逃げ切りは完勝といってもいいだろう。
「(お客さんが)碧衣、碧衣って呼んでくれたのは、すごい力になりました。1番人気だったので、責任をもって走ろうと。次の目標は打倒、(小林)優香さんなので、まずはここで優勝と思ってました」
3月大垣のコレクションでは、姉弟子の小林優香とのまくり合戦に敗れ、2車身ちぎられた。
「たぶん優香さんと走るのはサマーナイト(ガールズケイリンフェスティバル)だと思うので、そこで勝てるように。練習でもしっかり意味をもってやって強くなりたい。(ナショナルチームで)最先端のトレーニングしている優香さんなので、久留米の練習でも勝てるんだっていうところを見せて頑張りたい。グランプリに出ることは最低条件。そこでしっかり優勝したい」
連覇のかかる年末のガールズグランプリ出場に向けて、児玉が大きく賞金を加算。「令和」元年も女王の座は譲れない。小林との再戦が予想される7月の「ガールズケイリンフェスティバル」を早くも見据えるのだ。
周回中、5番手にポジショニングした児玉を終始、追走する形になった尾崎睦は、前団のあおりで車間が空いたが最後は児玉を追い詰めた。
「児玉さんの後ろが空いてたんで、そこで勝負しようと。(児玉の)番手なら付いていければっていうのもあるし、抜ければと思った。外々を踏まされた。踏み出しで差し込めれば良かったんですけど。あれで(児玉を)抜くとなるともっと力が必要になる」
大外枠からスタートで飛び出した田中まいは、打鐘で高木を突っ張る。そこから児玉、尾崎には出られたものの、3着に踏ん張って地元で見せ場をつくった。
「あんなにすんなりスタートが取れるとは思わなかった。あとは動いてくる人はいっぱいいるけど、最初に来る人は絶対に突っ張ろうと。強い人の後ろを取ってチャンスを狙うか。前々に積極的に動いて、後ろがゴチャついてくれればと思ってました。力の差が明らかだったんで、まだまだです」