検車場レポート
脇本 雄太 福井 94期 |
平成から令和にまたがり6日間かけて行われたG1最高峰の戦い『日本選手権競輪』は、東京五輪でメダル獲得を目指すS班・脇本雄太が豪快なまくりで快勝。第39回大会の滝澤正光氏以来となるダービー完全Vを成し遂げた。
レースは初手7番手の渡邉雄太が青板過ぎに上昇し、前受けの脇本雄太を押さえる。清水裕友は南関勢の動きを追って3番手をキープ。脇本は後方8番手へと車を下げて赤板を通過。渡邉が徐々にペースを上げて打鐘。中四国勢の内を潜り込んだ深谷知広は3番手を奪って最終ホームから仕掛けるが、田中晴基のブロックを2度受けて2コーナーで失速。後方から脇本が仕掛けると、1センターから清水も踏み込む。清水が逃げる渡邉をまくり切るも、脇本が大外から飲み込みダービー完全制覇で年末のグランプリ出場を決めた。
「後ろ攻めよりも前受けか中団かって感じでした。残り3周で車間を空けて(展開に応じて)仕掛けようかなって。自分のタイミングで仕掛けたし、外を回っても残り1周だったら踏み切れる自信がありました。1着を取れて本当に良かったです。昨年は3着だったので、そのリベンジができて良かった。(ナショナルチームでの)練習の成果が競輪に繋がっています。令和元年の格式高いダービーで優勝できて嬉しい。一戦一戦頑張って、競輪界を盛り上げていきたいです」
最終2センターで渡邉をまくり切ったS班・清水裕友だったが、最後は脇本のスピードに屈して2着。初のタイトル獲得へあと一歩及ばなかった。
「悔しいですね、夢を見ました。(道中で)深谷さんにすくわれたのは予想外。一人でラッキーでした。(深谷に)ラインができていたら、終わっていた。(仕掛けた時は)深谷さんの内か外で迷ったけど、外を回しました。展開が絶好すぎて、見過ぎてしまいまいした。(脇本と)ゴール前勝負ができているけど、力の違いを見せつけられました」
最終2コーナーから内へ潜り込んだ菅田壱道が3着に食い込んだ。
「全体は見えていました。自分がどこにいるか、誰が仕掛けているか見えていた。皆外に意識がいっていると思ったので、内へいきました。田中さんがけん制した時に突っ込んでいってチャンスがあると思ったけど、松浦(悠士)と絡んじゃいましたね」