検車場レポート
中川 誠一郎 熊本 85期 |
スタートでけん制が入り平原康多が前を取らされるかに思われたが、清水裕友が上昇して誘導員の後ろに収まる。人気を背負った脇本雄太は後ろ攻めを選択し、最後方に単騎の小原太樹が構える。
赤板を過ぎても隊列に動きはなく、間合いを取った脇本が打鐘を目掛けて一気のカマシを敢行。前受けから清水が踏み込むも、小原までの3車できれいに出切って残り一周。後方8番手に置かれた新田祐大が最終1コーナーから巻き返すとグングンと加速して前団に迫ったが、外を張りながら4コーナーから外を踏んだ中川誠一郎がG線を一番で駆け抜けた。
「ワッキーのカカリが凄くて。最終バックで(小原の後ろが)離れていたから、もうだれも来ないとおもっていたけど、新田はさすがですね。小原君が後ろにいたけど、それよりも新田に合わせて踏まないとないなって思って無理やり車を外に外しました。今回は体力的にも技術的にも、精神的にも調整が巧く行きましたね。準決、決勝ってピークを持ってこれるように。(G1の決勝で)初めて他力で勝てた(笑)でも20年間は自力で頑張ってきたし、これくらい恵まれても罰は当たらないですよね」
2着には中川に張られながらも懸命に外を踏み込んだ新田が入線。
「隠れながらいったけど、(中川と)タイミングが合ってしまった。小原君が最後に内で変な動きをすればチャンスはあると思ったけど。たらればですけど、もう少し早く仕掛けられていれば、苦しい思いをせずに中川さんに迫れていたと思います」
今回が初のG1決勝の舞台となった小原だがいつもの前々への気持ちが結果に繋がった。
「このメンバーで自分が圧倒的に脚がないのは分かっているので先手ラインに乗るしかなかった。ワッキーが後ろ攻めになるのは予想外でしたけど。なんとか付いていけたので。初めての決勝でしたけど、緊張はしなかったですね。リラックスして望めたし楽しかった」