検車場レポート
村上 博幸 京都 86期 |
後ろ攻めの清水裕友が残り2周半で上昇して前受けの小松崎大地を押さえると、小松崎はイン粘りを敢行。後ろがもつれた清水がペースを落とすと、三谷竜生が打鐘ガマシで一気に清水を叩く。近畿勢が出来ると、3番手に入った清水は仕掛けられず、番手の村上博幸が絶好の展開をモノにする。
村上博幸は「抜いたのは確信をもってゴールできた」とゴール直後に拳を突き上げた。「(三谷)竜生が自分のタイミングでしっかり、ひるまず、主導権を取ってくれて、そこで、自分が冷静に走れた。バンクの特性を掴んで3コーナーとか自転車の倒し方とか若い子にはない自分のやってきたことを完璧に出せた」と今までの経験を発揮した。
ふたたびG1を制すまでに、肉体的には落ちる中で、家族のサポートもあった。「今の精神的な状態で初タイトルの時の脚力があればもっといけるのかっていうのがあるけど、肉体的に落ちるところがあれば、精神的に上がっているところもある。ここ数年、家族に迷惑をかけた。後悔のないようにやりたいことをサポートしてくれた。この年でGⅠを取れるとは思っていなかったので、『ホンマにまさか』でした。グランプリを目標にやってきて出れるのは嬉しい」
昨年に続き準優勝の三谷竜生は3年連続のGP出場を目指して戦い抜く。「小松崎さんがあの位置で粘ったので、行けるタイミングで行っただけ。あのタイミングは行けるタイミングなので。最後はきつかったけど、2着に粘れているし、内容的には悪くなかった。(千葉記念からは)そのままの状態でこれた。今年初めてのGⅠ決勝とかそういうことは考えていない。これをつなげてまたグランプリに出れるように次のレースをしっかりと走って結果を残していくだけ」
清水裕友は3着で表彰台には上がるが、レース内容からも反省の言葉を口にする。「(後ろが粘られたのは)しょうがなかった。2コーナーで一瞬詰まったけど、見てしまった。バックでも見た。三谷さんもジャンカマシでカカっていたので行っても多分無理でした。(だけど)行かないで後悔したのはある。今日に限っては欲が出てしまった。情けない。言葉がないですね。悔しい。絶好と思ってしまった。(最後は)伸びがなかった。ダービーの2着は力を出し切った。あとから悔しくないのはそっちですね」
地元の木暮安由は「(動くとしたら)打鐘のところでしたね。いっても清水の後ろまでですかね。いろいろ考えていましたけど・・・。毎年、地元でやっているので誰かは決勝に乗らないとけない。自分が群馬を背負っていると思っているので、見てもらって後輩たちにも頑張ってもらいたい」