検車場レポート
児玉 碧衣 福岡 108期 |
それぞれの思惑が交錯して隊列が落ち着いたところで赤板を迎える。5番手で打鐘を通過した児玉碧衣が、4コーナーから踏み込むと2番手にいた高木真備も合わせて出る。児玉は冷静に高木を追いかける。その外からカマした佐藤水菜が先頭に立ち、高木は2番手に入るが、児玉がその上をまくる。スピードの違いで前団を仕留めた児玉が、そのまま後続に1車身半の差をつけて余裕のゴール。グランプリ史上初となる3連覇で賞金女王の座に就いた。
「誰も動かなかったら1周駆けるつもりでいた。カマそうかなって思ったら、(高木)真備さんが自分と合わせる感じで出てきたんで、真備さんも結構踏むような感じだった。それでいったん真備さんの後ろに収まって、そのまままくりに行くような感じでした。けっこう冷静に見れてたと思います。3連覇してちょっとひと安心している気持ちのほうが大きい。来年の目標はって聞かれたら、まだはっきりは言えないんで、今年中はちょっとゆっくりして来年、また考えたいなって思います」
勝負どころでは外の児玉にかぶった梅川風子は、最終2コーナーで外に出して児玉を追ったが脅かすまでには至らなかった。
「いい位置は取れたかなって。後ろを気にして脚を使うよりも、前の石井さんと高木さんに任せて自分はフリーでいようという判断は悪くなかったと思う。でも、児玉さんが外に持ち出すのが思っているよりも早くて、内に包まれてしまいましたね。そこがミス。児玉さんが予想以上に強かったです」
佐藤のカマシに飛び付いた高木真備だったが、児玉のまくりに反応しきれず3連覇を許した。
「前の方からと思っていました。あそこから仕掛けようと思っていたんですが、(佐藤が)すかさず来たので追いかけた。本当は先まくりが良かったんですけど、児玉さんのスピードが良くて出られてしまいました。番手にハマってからすぐに行ければもう少し違ったのかなって思いますけど、今の力では及ばない感じでした」