検車場レポート
山田 久徳 京都 93期 |
初手で3番手を取った稲毛が埼玉勢の上昇を受けて7番手内で松本貴治と併走になる。外併走を嫌った松本が赤板で押さえると、その上をすかさず稲毛がカマして逃げる。4番手を確保した松本が最終1センターからまくりで襲い掛かるが、それを察知した山田はバック手前からタテに踏み込んで番手まくりで応戦。稲毛の頑張りに応えて松本を合わせ切った山田が、そのまま押し切って平成29年佐世保記念以来のG3優勝を手にした。
「近畿が別でやりにくさというよりは残念な気持ちでした。稲毛君も中井俊君もいつも前で頑張ってくれているので。(松本に)フタをされて踏み合いになると思ったが、意外にもすんなりの先行の展開になった。番手の技術が完成していなくて判断が難しかった。(松本の)スピードが良くて(番手から)出ていって正解だったのかな。ラインで崩れるよりはラインで誰かが勝てればと。1回目の記念優勝は自力で今回は積み重ねてきたものがあって(村上)博幸さんに番手を回してもらい取れた優勝。番手を回れることは嬉しいし、頼もしい後輩がいっぱいいる。何でもできるのが一番良い。自力になるときもけっこうあるし、最低限のことをやってラインで決めたい。番手を回るときもそう。1月が欠場や落車でボロボロだったので、ここで優勝を獲れるとは思っていなかった。G1の決勝に乗るのが第一の目標。博幸さんと藤木(裕)さんと練習してそこを目指したい」
松本貴治は中団から仕掛けて山田に番手まくりで合わされるも踏み続けて2着。
「あの初手の並びで自分が切ったら稲毛さんが飛んでくると思っていた。イメージ通りでした。展開は凄い良かったけど、脚力不足でした。あれで山田さんの上をいければ、佐藤さんとゴール前勝負ができた。良い形で走れたと思う。次の全日本選抜に繋がる」
武藤龍生は最終ホームで9番手となり絶体絶命も3コーナー過ぎから内へ進路を取ると直線で中を鋭く伸びて確定板入り。
「地元勢が前受けしたのは想定外でしたね。稲毛さんもハイペースで踏んでいたし、松本君が中団にすんなりだったので宿口さんも行けなかったと思う。9番手になったけど、落ち着いていたし、内々ってきめていたからスムーズに勢いを殺さずにいけた。外を考えていたらまた違った結果になったと思う」