加藤寛治が特進に挑戦 ~四日市ミッドナイト~

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加藤寛治
得意のまくりが冴え、特進にリーチ
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成清龍之介
ルーキーシリーズの借りは返す

 「地区内あっせん」のため1・2班戦は中部、近畿勢のみ参戦する。
 6月大垣ミッドナイト、7月松阪ミッドナイトを連続完全優勝。加藤寛治が俄然、今シリーズの最注目選手に躍り出た。ただ、この2戦ともにややメンバーや展開に恵まれた感はあった。近畿勢の層が圧倒的に厚くなる今開催も勝ち切るのは容易ではない。果たして完全優勝してS級特進を果たせるか。
 前記の通り、近畿は強力メンバーをそろえる。右鎖骨骨折で長期欠場を余儀なくされた大石崇晴だが、復帰後は一戦ごとに本来のスピードが甦ってきた。6月高知、同月名古屋と続けて2連対。名古屋の予選で神田龍らを相手に上がり11秒4の好タイムで逃げ切ったレースは力強かった。今の脚勢ならA級戦で主役の座は譲れない。同郷の原田隆も前期S級の実力者。番手すんなりなら差し切りも。
 さらに近畿地区には中野雄喜や新鋭の張野幸聖も控える。特に張野は6月富山では同期の藤井侑らを破って1・2班戦初Vとますます勢いに乗ってきそうだ。

 この場所に特進を懸けることとなった加藤は、昨年前期のS級では大敗が続き、降級後も落車の影響があって存在感を失っていたが、怪我の影響がなくなった昨年11月あたりから決勝の常連に復活。十八番のまくりに冴えが戻り、6月大垣ミッドナイトで1年ぶりのVを3連勝で飾ると、続く7月松阪ミッドナイトも勢いを駆って完全V。“悪い時は仕掛けが遅れるけど、今は仕掛けのタイミングが合ってていい感じ”と、脚だけでなくレースの流れも見えていて好調を実感している。“この歳になると(特進は)そんなに意識しませんよ”と話すが、ビッグチャンスが巡ってきて内心燃えるものはあるだろう。大垣の準決で売出し中の樋口開を着外に沈めた強烈な一撃が飛び出すか。

 チャレンジは、やはり117期の5名がV争いの軸。デビュー戦の7月別府を114着と連勝で勝ち上がった長谷部龍一や、ルーキーシリーズ2戦で3度の確定板入りを果たした道場晃規も有力なV候補ながら、成清龍之介に期待してみたい。ルーキーシリーズ2戦は未勝利と期待に応えられなかったが、在所10位の実力者だけに、本格デビュー戦にはしっかり合わせてくるだろう。父は言わずと知れた現役S1レーサーの貴之。高校時代までは野球に打ち込み、自転車歴はなかったものの、2回目の試験で養成所に合格すると、養成所ではまくり主体に勝ち星を稼いで19勝。能力評価でもAを獲得している。ルーキーシリーズ2戦目の6月伊東では結果は出なかったが、積極的に自分でレースを動かして本格デビューに備えていた。持ち前の切れ味を生かした走りで猛アピールしよう。

権田浩一記者

2020年7月12日 17時56分

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