阿部将大が5人目の特班目指す ~玉野ミッドナイト~

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加藤寛治
目下4連覇中。今の勢いは誰にも止められない
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阿部将大
チャレンジ負けなしで5人目の特班なるか

 8月23日からの玉野ミッドナイトは、最近の勢いからして加藤寛治で断然の一戦だ。6月岐阜ミッドナイトから怒涛の4連覇。特進こそ果たせなかったが、12戦10勝、2着2回の凄まじさだ。得意のまくりが冴え渡っており、タイミング良く踏み出せればここも一気に前団を飲み込んでしまおう。
 対する中四国勢は小原周祐が軸になる。S級で活躍した頃のようなスピードのキレが戻って、前期からの快進撃には目を見張るものがある。当所では5月に菊池岳らを破って優勝しており、今回も自力基本の総力戦で一発があっていい。地元の立花成泰は欠場が続いており、今期はまだ走っていないが、前期S級では優参もあった格上の存在だ。この地元戦から復帰なら、小原の動きに乗って鋭脚を伸ばす算段だろう。
 高木和仁の動向にも注意。新鋭・松尾勇吾が決勝に乗ってくるようだと面白そう。

 加藤はまさにノリノリ。昨年前期のS級では大敗が続き、降級後も落車の影響があって存在感を失っていたが、怪我の影響がなくなった昨年11月あたりから決勝の常連に復活。十八番のまくりに冴えが戻って、6月大垣ミッドナイトで1年ぶりのVを3連勝で飾ると、7月松阪ミッドナイト、同月四日市ミッドナイト、8月富山と怒涛の4連覇を達成している。しかも、このうち3場所は完全Vというのだから非の打ち所がない。“S級点を取るのが今期の目標。この成績はたまたま”と今の快進撃にはさすがに本人も驚きを隠せない様子。しかし、一方で“悪い時は仕掛けが遅れるけど、今は仕掛けのタイミングが合ってていい感じ”と、脚だけでなくレースの流れも見えていて好調を実感している。今回は前回りを買って出る若手機動型、後位を固める追い込み型とラインの援軍は手薄だが、勝負所で後手さえ踏まなければ勝てそう。

 チャレンジ戦では、阿部将大が117期5人目の特別昇班を目指す。小さい頃から自転車競技に興味を持ち、高校から競技を始めた阿部。大学時代には国民体育大会のケイリンを優勝した実績を持つ。養成所では、“着を求めて走っていたので納得はしてない”と言うが在所5位と上位の成績を収めた。“まくりが得意。トップスピードとそれを持続する能力”に自信を持つが、デビューに際して“これからは先行で力を出せる選手になりたい”ときっぱり。7月別府、高知と決勝はそれぞれまくり、差しだったが、高知の勝ち上がりは逃げ切り連勝と、有言実行の走りで結果を出している。“緊張して初日から不安な中で完全優勝できてよかった”と地元の本格デビュー戦を乗り切ったことで波に乗った。同期のライバル達と同様にチャレンジは通過点。今回一番の強敵となりそうな倉松涼とは高知で対戦して勝負付けは済んでいるし、積極的に仕掛けて押し切る。

権田浩一記者

2020年8月22日 16時42分

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