ホープ長田龍が初V目指す ~伊東ミッドナイト~

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長田龍拳
117期ナンバーワンの実力示す
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吉村早耶香
戦法の幅が広がり上昇気配

 11月22日からの伊東ミッドナイトは、地元のホープ・長田龍拳が1・2班戦初Vを目指す。9月に特班の長田はルーキーシリーズプラスを除き、1・2班戦を4場所消化。初戦こそ準決敗退に終わったが、すぐさま仕掛けのタイミングを修正して、以降は順調にV争いに加わっている。今は“出し切る競走”を身上に走っているが、そのスピードはすでにS級レベルだ。上位の機動型が手薄な今シリーズなら押し切れるだろう。遠藤勝行、栗田雄矢、落合達彦らガード役が充実しているのも好材料だ。
 対するは関東勢で鈴木薫、山崎寛巳が先導役を務める。未だ1・2班戦Vがない山崎だが、コンスタントに準決で逃げ切っている機動力でいつ優勝してもおかしくない。援軍がしっかりすればチャンスだし、場合によっては鈴木の番手を回れそうなメンバーなので目が離せない。鈴木は徹底先行で売り出す新鋭。長田に徹底抗戦の構えだろう。
 宇佐見裕輝-佐藤愼太郎の福島勢も侮れない。来期S級に復帰する宇佐見は降級直後の7月函館、青森ミッドナイトを連覇。その後は落車で調子を落としたが、良化はしてきている。多彩な戦法を駆使し、若手機動型を手玉に取るかも。

 7月当所ミッドナイト決勝で落車と、いきなり洗礼を浴びた長田だったが、その後は順当に在所ナンバーワンの実力を発揮。チャレンジは2戦目から9連勝で卒業し、1・2班戦でもそのままV争いを演じている。
 「デビューして経験を積んだ。走り方が分かってきました。でも、まだ慣れてない部分は多いです。力があっても競輪は勝てないと感じています。養成所の順位は全員が単騎で勝つことだけを考えていた結果。デビューしてから通用してない。1位の実力はついてません。まずはS級に上がれるように頑張りたい」
 高校選抜、高校総体、国体少年男子のスプリントで3冠を達成し、養成所ではHPD教場にも選ばれた能力はS級で活躍する同期に負けていない。まだ力任せのレース運びも目に付くものの、初Vはここで決めてみせる。

 ガールズ戦は、11月弥彦ミッドナイトで完全優勝、予選2では史上6人目の通算300勝を達成した梶田舞が再び貫禄を示す。弥彦では点数最上位で1番車固定の利を生かして好位をキープすると、強烈なタテ脚で決着。調子も戻って格の違いを見せ付けた。ガールズグランプリトライアルの裏開催を走る悔しさをかみしめるこの2戦。“早く大舞台に復帰したい”。ここも1番車は約束されている。自力自在戦で期待に応える。
 地元の吉村早耶香が梶田に挑む。正月の豊橋ミッドナイトを優勝した後はVこそないが、10月松阪ミッドナイト、11月佐世保を連続準Vなど成績は安定している。以前は徹底先行で鳴らしたが、最近はより多彩な戦法を使い分ける自在タイプにチェンジ。「動くメンバーが多いと動くタイミングを逃したり中途半端なレースになってしまうので。そこで行くって決めたところで行くとか、違うことをするんだったらちゃんと意志を固めて走れたらいいんですけど。ちょっと中途半端な部分があるので」。まだ試行錯誤している面はあるが、後方からのまくりで、勝った鈴木美に鋭く迫った松阪決勝、中団先まくりで尾方真を不発に追いやった佐世保決勝はともに力を感じさせる内容だった。梶田の壁を越えられるか。

権田浩一記者

2020年11月21日 19時37分

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