脇本勇希、A級最終戦もしっかり勝つ ~大垣ミッドナイト~

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脇本勇希
次走からのS級へ弾みを付ける
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柳原真緒
連続完全優勝へ視界は良好

 12月16日初日の大垣ミッドナイトは、脇本勇希が新鋭ら強敵をなぎ倒す。特進を懸けた8月佐世保の決勝で落車。しばらくは影響を引きずった脇本だったが、好調時の感覚を取り戻して11月松阪ミッドナイト、11月福井を再び連続完全V。2度目の特進チャレンジとなった12月和歌山は112着でまたしても連勝は8でストップしたものの、その機動力がもはやA級レベルでないことは明白だ。展開に応じて先行、まくりとバランス良く使い分けており、ここも伊藤旭ら同型の動向を見極めての一気攻撃で、前記の和歌山でもワンツーがあった同支部の白上翔と決める。
 売り出し中の伊藤が率いる九州勢の逆転も。特班後も連対ラッシュが続き、直近の12月松山ミッドナイトを含め優勝も3回果たしている伊藤は強烈ダッシュの持ち主。新人らしからぬ冷静沈着なレース運びにも定評があり、田中陽平、樫山恭柄との上位独占は十分だろう。
 谷本奨輝に、岩本和也、富永益生が続く中部勢も伏兵に止まらないし、11月松山、防府と準決を連勝中の村上竜馬も虎視眈々と一発を狙っている。

 チャレンジファイナル優勝で特班を決めてから1年。1月から初のS級挑戦と脇本は順調にキャリアを積み上げていっている。前走の12月和歌山では今期2度目の特進リーチを懸けての出走も果たしている。決勝は、新鋭・阿部将との中団争いという予想外の流れで2着に終わってまたしても特進は逃したが、ホーム過ぎに6番手まで下げてからの2角まくりで巻き返した脚は強烈だった。前回の特進失敗の際に落車してしばらくは本来の力強さを失っていたが、“練習の感じはいいし、最初の特進リーチの時と比べても状態は良い”と自信を回復。もちろん、特進失敗を引きずる事はなく“勝ちにこだわるよりも、S級を見据えた走りをしたい”とA級最終戦となる今回のテーマは明白だ。“A級のワッキー”としてA級では兄のような存在感を発揮してきた。最後も新鋭に負けない積極的な仕掛けで期待に応える。

 柳原真緒が今年6V目を目指す。コロナ禍による開催中止もあって走るレース数も減った一年だったが、非常に安定した戦績を残していて近況も上々。グランプリトライアルでは予選1を逃げて3着、予選2を豪快にまくって快勝、決勝はまた3着ながら石井貴の逃げをまくっている。ビッグレースで思う通りの競走ができて結果も出たのは大きな収穫だった。「今までビッグレースで出し切れたレースが全然なかった中で、トライアルは連日出し切れて内容が良かったし、次に繋がるレースが出来たと思います。自信も付きました」。陸上競技出身のパワーレーサーで、踏み込んでからグングンとスピードに乗っていくカマシ、まくりの破壊力は文句なしだ、グランプリ出場選手が不在のここは主役を譲れない。12月和歌山に続き完全Vはなるか。
 吉岡詩織、山原さくらが、柳原に待ったをかける。ともに直近場所で底力を見せていて、吉岡は12月松山ミッドナイトの決勝で逃げて2着。小林優にはまくられたが、尾方真の反撃は合わせ切った。山原は12月小倉ミッドナイトの予選2で児玉碧を封じて逃げ切る大ヒット。組み立て次第でこの2人の優勝も十分だろう。

権田浩一記者

2020年12月15日 18時23分

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