橋本智昭の独壇場 ~西武園ミッドナイト~

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橋本智昭
今年最終戦も手を緩めない
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岡田亮太
初優勝のチャンスが到来!!

 12月28日からの西武園ミッドナイトは、A級では力が違う橋本智昭が中心だ。12月佐世保のレインボーカップでは特進を逃したが、今期はそこまでの10場所でV5、準V3回、決勝3着が2回。全開催でオール確定板入りを果たした。1月からもA級だが、持ち前の機動力はS級に定着していないのが不思議なレベルで、今シリーズも勝負所を逃さず仕掛けて出てV有力だろう。橋本とともにレインボーカップに出場した佐藤佑一はS級復帰前の最後の一戦。タテ脚を生かして先行から追い込みまでこなす器用さがあり、今年はここまでに5Vをマーク。同じ北同士でも戦法的に別線勝負となる可能性が高いが、この2人に、谷津田将吾の北勢から優勝者が出る可能性が高そう。
 対するは、巴直也、遠藤勝行、成清謙二郎の南関勢。ここ4場所連続で優参に失敗しているのは気掛かりな巴だが、積極的にバックを取る姿勢を前面に出して奮闘しており、デキそのものはそんなに悪くなさそう。援軍はしっかりしているし、S級復帰前の最後の一戦は結果を出して、いい波に乗って次のステージに進みたい。
 関東勢は大駒の菊池岳仁、鈴木薫がそろって欠場して不在に。ベテランの市川健太が孤軍奮闘する。

 1月からもA級なだけに、レインボーカップでは是が非でも3着以内に入って特進を決めたかった橋本。S級復帰が決まっており後ろを引き出す気満々だった竹山陵の番手回りと、お膳立ては整ったかに見えたが、金野俊に絡まれる展開で脚を使い、ドカしてまくったものの直線で力尽きて6着まで沈んでしまった。これであと半年間A級で走ることとなったとはいえ、S級でもコンスタントに連対していた機動力はダテではない。踏み出しの甘さは強烈な加速力でカバー。勝負所で思い切って飛び出し、出切ってしまえば、あとは何度も踏み直せる強靭な地脚で敵を黙らしてしまう。気落ちしている暇はないし、レインボーまで今期は一度も確定板を外さなかった底力は現在のA級で一番と言っていい。豪脚を見せ付けて一年を終える。

 チャレンジ戦は傑出者不在の大混戦。岡田亮太、金辺雄介の東京コンビがややリードか。岡田は“同期とあたった時に結果が出ていない。ペースを上げ過ぎてしまったり、駆ける時の強弱の付け方が課題”と、デビューしてまだ優勝がないが、“大ギアを踏めなかったのが改善してきて、レースも道中がちょっと楽になってきたかなと思います”とも話しており、着実に成長してきている。“新人らしく”積極策が身上。当所は7月、10月とすでに2回走っていて準V、決勝3着と得意にしており、初Vを決めるのに絶好の舞台になりそう。また、岡田がペースを握れば、金辺にも絶好のVチャンスとなろう。誘導員早期追い抜きのペナルティーや落車負傷でレースを走れなかった期間がありながら今期2Vを飾っている実力者だ。
 もちろん、地元の戸邉捺希は岡田にとって強力な同期のライバル。怪我から復活の宇佐見優介や総合力高い湯浅大輔もここはV候補として外せない。

権田浩一記者

2020年12月27日 23時07分

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