松本秀之介の特進はなるか ~豊橋ミッドナイト~

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松本秀之介
3度目のチャレンジを実らせるか
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柳原真緒
新年は一段の飛躍が期待される

 1月11日からの豊橋ミッドナイトは、S降りの強豪も点数上位を占めるが、注目は何と言ってもこの場所にS級特進を懸ける松本秀之介だ。自慢のスピードはA級レベルではなく、1月四日市までの11場所で7Vを達成。早くも3度目の特進挑戦となった。降級選手が相手と言ってもすでにS級上位にも匹敵する脚力を誇る松本にとって恐れることはない。冷静なレース運びから一撃を決めて今度こそ特進を決める。好永晃が松本に食い下がる。
 S級でも随所に白星があった西村光太が侮れない。成績不振で10年後期以来のA級陥落となってしまったが、随所で連対も果たしていて、8月富山では準決を勝って優参しているし、降級直前も12月佐世保記念を含めてコンスタントに確定板入りを果たしていた。状態上向きを自覚しながらのA級なら自力も出す覚悟で勝負するが、地元の山口智弘や重倉高史、新人の下井竜との連係が叶えば、番手で盛り立てながら抜け出しを図る。
 20年後期は3Vを飾った大石崇晴と北川紋部の近畿勢もV争いに加わってくる。今回のメンバーなら大石が先制する可能性も高いので見逃せない。
 さらに、川口雄太、越智展孝の四国勢も川口の積極策で流れが向けば。

 競輪一家に生まれた松本は、117期在所3位で現在S級で活躍している山口拳、町田太にも見劣りしない素質を持つ超エリートだ。自らセールスポイントと胸を張るスピードのキレは、直近の1月四日市決勝で、同じ開催のS級優勝を果たした北津留翼をも上回るタイムを叩き出す凄さでS級の上位級にも見劣りしない。ここまで2度特進チャンスをつかんで、2度目の11月久留米では112着と8連勝に終わる悔しい結果だったが、その後も4場所で3回の完全VとA級に止まっている器ではない。同県同期で練習仲間の松岡辰泰が先に特進してしまったは相当刺激になっている模様。決まり手の約8割がまくりと仕掛けは早くないが、自分の走りを押し通す度胸は並みの新人とは思えぬものだ。つかみ取った3度目のチャンスはしっかりつかみ取る。

 ガールズは柳原真緒と新鋭・尾形真生が激突。11月のガールズグランプリトライアルの決勝でしか対戦していない2人の優劣は付け難いが、柳原に本命期待する。本デビューから半年で7Vをマークした新鋭は強敵だが、柳原も12月は完全Vが2回と負けていない。グランプリトライアルの予選1、2で“ビッグレースで出し切れたレースが全然なかった中で出し切れた”と、予選1を児玉碧相手に逃げて3着、予選2は奥井迪をまくって1着を取ったレースで自信をつかんだ。“まくりの精度を上げるのが今の課題だけど、新年に向けて(グランプリ)トライアルの前から試してきたことがかみ合ってきた”と話しているので、脚は文句なしでもレース運びにはまだ課題がある尾形を完封して、23日初日の別府のコレクショントライアルに弾みを付けたい。

権田浩一記者

2021年1月10日 20時10分

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