特進目指す山本巨樹に強力包囲網 ~松阪ミッドナイト~

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山本巨樹
レベルの違うタテ脚で特進にリーチ
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仲野結音
怪我から復活。勝負はこれからだ!!

 3月15日からの松阪ミッドナイトには、山本巨樹が特進を懸けて出場する。降級した今期は、ここまで一度も確定板を外さない完璧な戦績を残していて、2月小倉と続く静岡で完全Vを達成。A級では番手戦が多く、展開的に苦しくなることもあるが、持ち前の強烈な差し脚で早くもビッグチャンスを手繰り寄せた。まくり鋭い石口慶多とは過去に何度も連係していて、1月名古屋ミッドナイトでは石口の仕掛けに乗って1着を取っているだけに頼もしい存在となりそう。また、自分で動くレースでも問題ないので、石口との同乗が叶わなくても自在に立ち回って、そろった強敵を一蹴する。
 対する地元勢も侮れない。西浦仙哉は、2月四日市で最終バック5番手からまくりを決めて今年初優勝をゲットしているし、別線を出させない先行策で3着に粘り藤原誠のVに貢献した3月松山の走りも見事だった。今回は同門のルーキー・下井竜を援護して地元連続優勝を目指そう。
 昨年後期に3Vを飾った篠原龍馬も2月小倉ミッドナイトの準決でルーキーの長田龍を先行策で完封するなど元気一杯。近況も申し分なく、同県の濱口健二を連れて好スパートを切れるか。
 さらに自在戦で売り出す阪本和也らも控え、山本の特進を阻止せんとする包囲網はかなり厳しいものとなりそう。

 5場所で3回完全優勝し、早くも特進チャンスをつかんだ山本。19年には一年で驚異の43勝をマークしたが、A級での爆発的な白星ラッシュは1年ぶり降級となった今期も全く変わらなかった。“自力でもできるし、何でもできるように。そして早くS級に戻りたい”。BMXで鍛えた強烈ダッシュで繰り出す切れ味鋭い差し、まくりを主武器に、流れでは何でもやっていくのが競走スタイル。“集中して自分のできることをしたい”。最近は近畿地区の機動型と同乗して番手戦が増えていて、ここも何度も連係がある石口の仕掛けに乗っていく可能性が高いが、最後は自分のタテ脚できっちり決める。

 チャレンジは、復活の仲野結音が一身に期待を集める。レインボーカップにも出場したように、本デビュー戦でいきなり優勝するなど好スタートを切った仲野だったが、その後は落車禍に苦しむこととなる。2戦目の落車で鎖骨を骨折。それでも復帰後の9月豊橋ミッドナイトで完全優勝して再び実力を披露したが、10月青森でまたしても落車。左肩鎖関節の亜脱臼の発見が遅れ、最終的に手術をして2月奈良ミッドイナイトでようやく本格的に再起を果たした。“脚の感じは怪我する前よりいい”との言葉通り、直前の3月松山では見事に完全優勝。ロード出身の強地脚が武器で、養成所の脳力評価でも2回A評価を獲得していたようにポテンシャルの高さは元々折り紙付きだった。勝負はこれから。ここも先行基本に長い距離を踏み切るレースで他を圧倒する。

権田浩一記者

2021年3月15日 14時16分

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