S班7名が決勝への切符を逃す ~小倉競輪場~

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古性優作
気持ちを切り替えて最終日に臨む
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新山響平
最終日もスタイルを貫き戦い切る
新山響平は決勝の結果次第でS班残留の目を残す

 11月25日(土)に小倉競輪場を舞台に「第65回朝日新聞社杯競輪祭」の準決勝が行われた。10レースはS班キープへ勝負駆けの郡司浩平が4着に敗れ、3連単80万円オーバーの特大配当が飛び出すなど波乱の結果に。11レースのS班では賞金ランク9位の新山響平と佐藤慎太郎がともに敗れ、太田海也が松浦悠士の援護を受けて別線攻略、G1決勝の舞台に初めて勝ち上がった。12レースは脇本雄太が後方から一気のカマシを敢行。深谷知広が前受けから3番手に飛びつくと、態勢を立て直し直線で強襲して決勝進出。新田祐大と守澤太志は見せ場を作ることなく敗れてしまった。
 
 年間最多となる4つ目のG1タイトルを目指していた古性優作(100期・大阪)であったが、夢はかなわなかった。
 「4つ目のタイトルって思っていましたけど決勝にすら乗れなかったので。挑戦することもできなかったですね…。準決は相手も強かったですけど、寺崎君が出切れると信じていましたし、ハナから切り替えることは考えていなかったですね。そのぶん外に差し込んでしまっていて2コーナーでバックを踏んでスピードを殺してしまいましたね…。まあでも今年は宮杯で落車しましたけど気持ちを切らさずにG1も獲れましたし、オールスターも落車して苦しい中での準優勝。タイトル3つ取ったのも20数年ぶりみたいですし、やった方かなって思っています。今年中に狙えるのは過去最高の年間獲得賞金額だと思うので、グランプリを獲って更新できるように。そこを目指して、今年の残りも頑張ります。自分の場合、追い込み選手が自力を出している感覚ですし、郡司さんたちは自力選手が番手になった時にヨコをやっている感覚。やっぱりまだまだ全体的な脚力とか出力が自力として足りていないので。もっと上げていけるように」
 
 賞金ランク9位と2年連続でのグランプリ出場に向けて最低でも決勝には乗っておきたかった新山響平であったが、勝負の準決勝でもスタイルを変えることはなかった。今年前半はS班としての重圧に負けそうになっていたが、〝突っ張り先行〟のスタイルを確立してからは常に自信を持ってレースに臨んでいた。
 「北津留さん、北井さんを突っ張るまでは凄く良かったですし、ジャンで太田君を突っ張り切れれば今のスタイルの完成形だと思うので。それでも脚の感覚は良かったですし、3番手に入ってからは意外と脚もたまってました。2回くらい詰まってちょっと迷ってしまって変なところで仕掛けてしまいましたね。もっと待って仕掛けるか、1回目に詰まった所で仕掛けるか、でしたね。でも自分の中で待ってのまくり追い込みっていうのはなかったというか、今までやってきていないので。体が勝手に反応した感じですね。あそこでまくり切れなければグランプリに乗れたとしても勝てないですし、まだまだ今の戦法を煮詰めていかないと。イメージはできてきているので、それをレースでできるようになりたい」
 
 それぞれが思い描く理想の形、S班としてだけではなく競輪界を引っ張っていこうと己のスタイルを突き詰めている。

細川和輝記者

2023年11月25日 23時39分

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