成清謙二郎が龍之介への思いを胸に参戦 ~京王閣競輪~

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成清謙二郎

 3月11日(木)から京王閣競輪で開催されるF1シリーズの前検日に参加選手が集合した。先月の24日に甥でもあり弟子の龍之介さんを事故で亡くした成清謙二郎(千葉・90期)も参戦する。現在の心境を語った。

 「兄貴(貴之)が走るっていうから、俺も走らないとと思って。それがなければ、まだ走れなかったかもしれない」。3月8日から静岡競輪場で行われたF1シリーズに、龍之介さんの父で謙二郎の兄・貴之(千葉・73期)が先に参加を決めたことが謙二郎の背中を押した。「(兄の競走を見て)あんなの見せられたらプレッシャーです。気合いと脚は比例しないけど、選んだからには走りたい。もちろん、龍のためにも。(龍之介さんのことは)小さい頃から凄いかわいがってきた。兄貴はゼロか100の人だし、(師匠は)俺じゃなかったら(養成所に)受かっていなかったと思う。俺は逃げ場を作ってあげましたから。いろいろな道を見つけてあげましたよ。今の子は一本道ですぐに強くなりたいと思いますからね」と、こみ上げてくる感情を押さえながら、指導してきた思い出を語ってくれた。

 競輪界が深い悲しみに包まれた訃報。その中で、静岡競輪に参加した成清貴之の走りは仲間である選手たちはもちろん、多くのファンの心を揺さぶるものだった。弟の謙二郎もしっかりと前を向き、愛弟子への思いを胸にシリーズを戦い抜く。

小山裕哉記者

2021年3月10日 17時04分

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