【コラム】スピード化に対応する木村隆弘 ~富山競輪場~

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木村隆弘
大ケガを乗り越えて確実にステップアップ
タテ脚強化を図る

 7月25日(日)、富山競輪場で行われている『瑞峰立山賞争奪戦』の5レースで木村隆弘(91期・徳島)が目の覚めるまくりを披露。ケガを乗り越えてコツコツと努力を積み重ねて今期は初のS級1班に昇格。スピード化が進むレースに対応すべく、いざという時のためにタテ脚を磨いてきた。
 
 「去年の9月に(久留米で)落車をして、その時は大丈夫だったんですけど、2ヵ月くらいしてから手がしびれる感じがした。病院に行ったら第6,7頸椎のヘルニアって診断。そこで、ずっとやっていたウエイトをやめたから徐々にパワーが落ちてしまって苦しかった。でも、オグ(小倉竜二)さんに『ケガは言い訳にならん』って。『耐えて続けていくしかない』って言われたんです。だから今年の1月からウエイトを再開して、パワーマックスで高負荷のトレーニングを始めました。それが徐々に噛み合ってきたんだと思います」

 45歳の今も競輪界のトップクラスで戦う小倉竜二のアドバイスが木村隆弘を奮い立たせる。
 「オグさんは雲の上の人というか、もう別格なので。そこを目指してますとかは簡単に口にはできないですよ。自分はまだまだ追い込みとしても認められる所までいっていない。それでもやっぱり今のスピード競輪に対応するためにタテ脚は意識している。苦手なパワー系の練習とウエイトのおかげで以前よりも脚力は上がっていますね。でも今日(シリーズ3日目の)のまくりは奇跡(笑)自分が一番ビックリしていますし、自分の脚じゃないみたいでしたね。初日は失敗してしまいましたけど、2日目も悪くなかった。最終日もしっかりと連にからめるように戦いたい」

 2日目にも鋭い決め脚を披露しており、3日目のまくりはまさかの上がりタイム9秒5。〝自力タイプ〟のような間合いの取り方と、シャープなタテ脚は穴党のみならずも必見。最終日は番手回りでも再び自ら動く自在戦となっても見逃せない存在。

 
 

細川和輝記者

2021年7月25日 14時09分

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