進化を続ける平原康多が熱い走りで魅了 ~平塚競輪場~
気力も体力も衰えることなく進化を続けている
4月10日(日)に平塚競輪場で行われた『湘南ダービー』の決勝で平原康多(埼玉・87期)が熱い走りで場内を沸かせた。優勝は番手の佐藤慎太郎で自身は3着に沈んでしまったが、レース後は清々しい表情でレースを振り返った。
初手で前中団に構えた平原康多。古性優作、山田庸平と動く中で、打鐘で切るスピードは先行も視野に入れた踏み込みだった。
「想定外のスタートになりましたね。前か、前中団っていうのは考えていたんですけど。(打鐘で切る時に)あのペースで行って、来たら出させてって思っていたんですけどね。自分はいつもジャンのところは駆けてもいいつもりで切りにいくので」
関東勢が叩いた上を切るかと思われた郡司浩平であったが、平原のスピードに怯んでしまったのか3番手の位置で止まって山田庸平と併走に。その瞬間、完全に平原は腹を括った。
「来るのが遅かったのでスイッチが入りましたね。シッティングの方が踏み上がっていくので。脇本君みたいに。40歳になる手前でああいう走りができるのは脇本君を参考にしているからっていうのが大いにありますね。なんかこう、徹底先行でやっていた時の気持ちが蘇ってきたじゃないですけど、郡司を出させたくないって思ったんで。郡司と本気で体をぶつけあって。慎太郎さんといいレースができたと思う。でも、久々の先行だったのできつかったですね」
先頭でも番手、3番手、どの位置を回ってもラインとして機能することを最優先に考えている。
「やっぱり自力で戦うときは関東の若い選手にも魅せるレースをしていかないとと、常々思っているので。今回は初日、2日目と試して、昨日と今日でいい方向に向いてくれましたね。あれで逃げ切れれば脇本にも勝てるんでしょうけどね。でも、慎太郎さんの優勝は自分の優勝と一緒なので。また頑張ります」
今年は2年ぶりに平塚競輪場でKEIRINグランプリが行われる。40歳手前にしてもなお進化を続けている平原康多は、平塚記念が終了した時点で賞金ランキングで6位につけている。高いレベルを維持しながらも常に新しいことに挑戦し続けながら、年末に再び平塚競輪場でファンを魅了してくれることだろう。