日高裕太がS級に特進 ~松山競輪場~
121期(早期卒業生を除く)で真っ先にS級の舞台へ
4月22日開催の松山FIナイター最終日第11レース・A級決勝に出走した日高裕太(静岡・121期)が、中団先まくりの吉田智哉(愛媛・111期)を最終4コーナーでねじ伏せて1着を奪った。この優勝で日高は、3月宇都宮FI、4月伊東FIIミッドナイトに続き3場所連続での完全優勝を達成し23日付けでS級への特別昇級を果たした。
前走の伊東決勝は南関別線の菅原大也(神奈川・107期)に、S級経験豊富な片折亮太(埼玉・92期)、伊藤成紀(大阪・90期)から厳しい包囲網を敷かれた。片折には中バンクに上ってのけん制も受けながらも、「スプリントをやっていた経験が生きた」と咄嗟にインコースに降りてからのスパートで優勝。「6連勝までこれたんで。そこまで意識はせず、間の練習だったりをいつも通りやって、いつも通り走れたらと思います」と臨んだ松山だった。その決勝も、吉田に田村大(宮崎・119期)とA級トップクラスの自力型との実質3分戦で、決して楽な一戦ではなかった。前受けでレースを始めた日高は、赤板から吉田、田村の順で切って来られるとスンナリ下げて6番手へ。打鐘手前で先頭に立った田村は後続の態勢を確認しながら徐々にペースを上げていく。対する日高は慌てず車間を切って巻き返しのタイミングを伺い、最終2コーナーで吉田が4番手から先まくりに行くと追って仕掛ける。マークしていた選手がそのまま置いていかれるくらい踏み出した瞬間にスピードが違った日高は、3コーナーで前団をまくり切った吉田を4コーナーで捕らえ、最後は吉田以下に3車車差を付けて圧勝した。
「松山は初めてだったが、声援をもらって力になった。早期卒業組以外で、S級へ一番乗りで昇級できてよかった。S級でもいろいろな戦法ができるよう成長していきたい」
松山けいりんのツイッターでそう喜びを伝えていた日高。インターハイ、高校選抜のスプリントで優勝した実績を持つ逸材で、ルーキーシリーズを2戦続けて連勝で決勝に勝ち上がる活躍を見せて一躍注目を集めた。ところが本格デビュー2戦目に誘導員早期追い抜きの失格を喫し、ペナルティーを受けて4カ月あまりの戦線離脱。いきなりの試練も“休んでいる間は練習しかしていなかった”と一段パワーアップして復帰すると、チャレンジは負けなし9連勝で卒業。そのまま立ち止まることなく1・2班戦も僅か6場所で通過することとなった。大きく出遅れながら121期(早期卒業の2人を除く)で真っ先にS級へ駆け上がったポテンシャルの高さは疑う余地がない。S級でもこれまで通りケタ違いのスピードを生かした積極策で大暴れを見せてくれることだろう。
2023年4月23日 22時21分
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選手詳細データ
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日高裕太 選手静岡・121期