兄を追って山根慶太がS級に特進 ~前橋ナイター~

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山根慶太
アンコになる展開にも冷静に対応してS級特進を決めた
2度目の特進チャレンジを実らす

 7月10日開催の前橋FIナイター最終日第11レース・A級決勝に出走した山根慶太(岡山・121期)が、混戦を切り抜けて優勝を手にした。これで山根は6月福井FI、同月武雄FIIモーニングに続き3場所連続での完全優勝を達成し7月11日付けでS級2班への特別昇級を果たした。
 
 前橋の決勝は、梁島邦友(茨城・117期)率いる関東勢、本多哲也(千葉・97期)が先導役の南関勢との3分戦。本多が押さえに来ると、前受けから中団まで引いた山根は梁島と併走。外の梁島が先に仕掛けて赤板で主導権を奪う中、山根も梁島に合わせて踏み出すが、内の南関勢と外の関東勢の間の狭いコースに入っていって挟まれる苦しい態勢になる。1周以上内、外に選手がいて動けない状況が続くも、最終1センターで外の選手が遅れだしたことで、2コーナーまくりで反撃を開始。直線入り口で梁島を捕らえて先頭でゴールした。

 「特進を決められて良かった。(特進は5月別府FIナイターで)1回ミスっているので、全力で頑張るだけという気持ちで挑みました。(決勝は)11着(で勝ち上がってきた)の自力型(梁島、本多)が敵だったので考えすぎても仕方ないし流れでレースをしようと。レース中に(内、外がいて)挟まれるシーンが多かったのでコケないように注意しました。こんなレースではS級では通用しないと思いますが、一戦、一戦頑張ります」

 山根の兄はS級レーサーの将太(119期)。積極先行で鳴らす兄にも全く見劣りしない競技実績を引っ提げての競輪界入りで、デビュー前から注目の存在だった。本格デビューの年にS級に特別昇級した兄には及ばなかったと言え、自身も本格デビュー1年でS級の座をゲットと順調に出世街道を歩む。前橋では決勝、準決と併走を凌いでまくったように、兄とは異なりヨコの動きも苦にせずに戦況を切り開いていけるところが持ち味。S級ではどういう走りを見せてくるか注目したい。

権田浩一記者

2024年7月10日 22時57分

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