自力の脚を取り戻す藤田昌宏 ~取手競輪場~

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藤田昌宏
50歳を過ぎもう一回真剣に向き合い挑み続ける
モヤモヤしている選手がいたら俺を見てほしい

 取手競輪場では8月10日からFⅡモーニング12レース制で『旨い!常陸牛煌杯』が開催される。ここでは50歳になって、また自力にスタイルを取り戻している藤田昌宏(岡山・82期)にスポットを当ててみた。

 数年前の藤田はどちらかと言えば追い込み、少し動いたとしてもまくりという感じだった。それが最近では動くレースが目立つようになり、
前回の福井準決では新進気鋭の荒川達郎(埼玉・123期)をHS前で叩いて見事に逃げ切っている。
「2分戦だったし、経験値で勝てたと思う。もう少し行けるところがあったかな。A級では勝てたけどS級の上位クラスになると…。質の高いレースがしたい」
と見ていた側にしてみれば会心のレースでも藤田の評価は手厳しい。
 
 では何故、藤田は積極的に自力を使うようになったのだろうか?「今年からかな。前で目標にしている人に『ここで行かないのか』と思ったりした。もったいないと。
でもそれを言うなら自分で戦ってみてと。それで自分で何か見つけられたら。番組のせいにしたくないし展開のせいにもしたくない。自分の脚で解決したい」。

 藤田は競輪選手になって「2周目」と話す。「普通の選手は自力で始まって追い込みに変わる。そこで1周。でも僕はまた先行、まくりでやろうとしている。2周目に入った。これでダメだったら」。
藤田は今、競輪に対して真剣に向き合っている。「選手の中でも戦い方でモヤモヤしている選手はいると思う。だったら僕を見て何かを感じ取ってほしい」。
藤田の走りに感銘を受け追い込み型から、また自力に転じる選手がいずれ出てくるかもしれない。もう一度自力を取り戻す藤田に注目したい。

木村貴宏記者

2024年8月9日 23時03分

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