積極的な競走を貫き15年にS級1班に復帰。その後もS級上位で活躍を続けて、月日が流れた今でも根田空史の競走スタイルは変わらない。
「先行屋のプライドがあるから駆けているというよりは、その戦法が一番リスクの少ない戦法だと思うし、自分に合っていると思うから先行している。まくりになると前団のあおりを受けて落車するリスクもあるし、自分はヨコの動きが得意じゃないから、いい位置が取れない。そうなると後方からのまくりになって不発の可能性もあるので、今のスタイルを極めていくしかない。あとは野口(裕史)さんが駆けているうちは、自分も先行選手はやめられないという気持ちもある」
競輪の花形である“先行”で結果を残す根田だが、そこには課題もある。
「末脚が甘いのが今の課題。今まで大舞台でもあと少し踏み直しがきけばという場面が何回もあった。自分はスプリンターだし、本来はまくりに回ればもっと勝てる思う。でも、そんなことも言ってられないし、今は持続力を強化する練習をしている」
近況はピスト6での活躍も目立ち、すでに最多タイの4度の優勝を果たしている。前回のフォースクォーター ラウンド5の決勝戦で敗れて、惜しくも連勝記録は“15”で止まったが、そこまで積み上げた勝ち星はすべて先行だった。
「ピスト6は大ギアだし、しっかり脚力をつけるためにも先行している。前回は負けてしまって5Vが達成できなかったけど、悔しさよりもしっかり踏み直せていれば結果は違ったかもしれないという内容の反省の方が大きかった。もちろん優勝できたらうれしいし、自分の競走をして結果がついてくればいいと思っている。自分の目標はもっと先にある」
そんな自らの競走を貫く根田が、見据えるのは大舞台制覇だ。
「記念は優勝したことがあるし、次はG1制覇が目標。G1では準決が壁になっているし、まずはそこを突破したい。昨年は8月のオールスター以来G1を走っていないし、今は2月の全日本選抜でしっかり力を出し切れるように仕上げている段階。(全日本選抜の)高知は相性がいいし、先行選手にとって有利なバンクだから自分にも合っていると思う」
「同期同級生のワッキー(脇本雄太)の活躍は刺激になるし、目標というよりもライバルとして見ている」と輪界最強の男が好敵手。G1決勝の舞台で実現するであろう両者の力勝負に期待したい。
2023年1月23日 更新