• 小倉競輪場 第57回競輪祭 GⅠ11/20〜11/23

朝日新聞社杯競輪祭

GPへ最後のバトルが開幕

新田祐大

新田祐大

山崎芳仁

山崎芳仁

武田豊樹

武田豊樹

平原康多

平原康多

浅井康太

浅井康太

深谷知広

深谷知広

村上義弘

村上義弘

  •  1年最後のG1戦となる「第57回朝日新聞社杯競輪祭」が今年も小倉競輪場(北九州メディアドーム)を舞台に11月20日からいよいよ開幕する。日本選手権、オールスターを制覇と今年は大活躍の新田祐大や関東鉄壁ラインがV争いをリードするが、この競輪祭の一番の見所はグランプリ出場権を巡る争い。残された枠は実質1つしかないが、驚くようなドラマは見られるのか目が離せない。

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インタビュー

  • 中川
  • 誠一郎
  • まずは決勝の舞台へ

  •  持っている力は誰もが認めるところ。昨年7月寬仁親王牌で初のG1優出を決め、「次の目標は優勝」と意気込んだが、その後のG1戦は7大会連続で準決勝敗退。優勝はおろか、再び準決勝が壁になってしまっている。
     「G1を獲るためには、どんどん決勝に乗らないといけないと思ってるのに乗れてない。変な緊張感もなくいい状態で臨めてるのに、ここまであとちょっとが続くと…」
     オールスターでも準決勝をのぞけば3連対。何かがかみ合えば―。その思いはファンも中川自身も持っている。ワールドカップもはじまり、ナショナルチームの活動も多忙になる。「体と相談しながら」。スケジュール調整も競輪祭の結果を左右する重要なファクターとなる。
     「ワールドカップのあとは練習する時間がない。練習したいなって気持ちはありますね。競輪祭は地元地区だし、予選スタートだけど多少は有利な感じ。何とか決勝にいきたいですね。九州でたくさん乗って、誰かもうひとりグランプリに乗れるようにしたい」

  • 金子
  • 貴志
  • もう優勝するしかない

  •  ダービー、親王牌で優出をはじめ、6月の別府記念を優勝するなど、前半戦は安定した活躍ぶりを見せた。賞金ランクで好位につけていたが、8月のサマーナイトで落車し、坐骨と恥骨を骨折。一転してグランプリ出場は厳しい状況に置かれる。しかし、「もう優勝するしかないので」と決して諦めてはいない。逆境を力に変え、限られた短い時間で万全を尽くす。「質は落ちたけど、もう練習はできているので。練習と実戦をこなして戻すしかない。怪我は仕方ないので焦りはないですよ」。
     復帰戦の熊本記念では未勝利に終わったが、「思ったより走れていた」と好感触。「脚の張りも出たし回転も戻ってきている。間の取り方とかも実戦でやらないと感覚が戻らないので。だから、成績は良くなかったけど、久々に緊張感の中で走れたのはよかった。このあとは日程が空くので、やれることを確実にこなして仕上げていきます」。回復は予想以上に早そうだ。最後の一発逆転に賭ける。

  • 大塚
  • 健一郎
  • 獲れる状態に仕上げたい

  •  オールスターは初タイトルへ絶好のチャンスだった。無傷の3連勝で勝ち上がった竹内雄作の番手を回り、その竹内が主導権。しかし、3番手確保した新田祐大のまくりに夢は阻まれた。
     「サマーナイトの頃は微熱が続いて体調が悪かったけど、一本欠場してオールスターでは劇的によくなってた。でも、タイトルを獲れるまでのデキではなかったですね。決勝はそれを感じた一戦でした」
     とはいえ、場所ごとに状態を上げていることは確かだ。10月別府で準優勝、佐世保で優勝し、「やっと戻ったかな。競輪祭に間に合うかなという感覚はある」と胸を張る。
     不安要素は佐世保のあとから別府競輪場が改修工事に入ったことだけだが、「バンク練習ができない不安はあるけど、そこは経験で。昔のノートを開いて、上手く練習を組み合わせて競輪祭に仕上げたい。今年は記念で活躍してないので予選スタートだけど、一戦一戦引き締めていきます」。今年最後のG1こそは獲れる状態に仕上げていく。

  • 稲川
  • 近畿の仲間に助けられ

  •  昨年、高松宮記念杯で初戴冠を遂げた稲川だが、その後は度重なるアクシデントに襲われた。
     「怪我は誰でもしますし、怪我で弱くなって終わっていくのは一番嫌なんで。近畿の先輩たちにいろいろ助言をいただいて、腐らずにここまでやってこれた」
     昨年10月に落車で鎖骨骨折に見舞われると、3月の名古屋記念でも同じ箇所を骨折。
     「復帰して同じところを怪我した。正直、今年はG1では活躍できるかなって思った。それでもオールスターの決勝に乗れたのは周りの支えが大きい。南(修二)さん、村上兄弟、みんなに早く帰ってこい、待っているからって、言ってもらってたんで」
     G1の舞台に復帰したのが6月高松宮記念杯。そこから自らの求める感覚へと近づけながらオールスターでは優出を果たした。
     「SSに見あう走りができなくてモヤモヤしているところもあったけど。今になってやりたい走りができてきた。優勝しかGPに乗れないので優勝を狙ってますけど。まずは自分のやることをしっかりとやって終わりたい」

  • 岩津
  • 裕介
  • 総力戦ですべてをぶつける

  •  今年は10月の千葉記念で決勝を逃すまで記念はすべて優参。戦力が充実していると言い難い中四国勢の中で獅子奮迅の活躍をみせていた。それでもS班として求められているのは、あくまで2年連続のグランプリだ。
     「賞金は考えていません。競輪祭が勝負って考えてます。勝つしかないんで」
     今年は自身が思い描いているように状態が上向かず、「バイオリズムは去年と同じなのにレベルが下がっている。なかなか状態が上がっていかない」と苦しむ。
     「オールスターの前良くなくて上がるかなと思ったけど、実際走ったら落ちていった」とまだまだズレがある。それでもグランプリを諦める訳にはいかない。
     「競輪祭の優勝を狙える状態までコンディションを上げていかないと。もちろん厳しいですけど、与えられた番組の中で総力戦で。頭も全部使って総合力で戦っていきます」
     岩津を慕う多くの後輩達の為にも中四国からS班の希望の火は消せない。今年最後のG1にすべてをぶつける。

  • 深谷
  • 知広
  • 流れを変えて、最後のG1へ

  •  「ピークの力自体は戻っている。ただ4日間、それを出し続けることができない」
     好走と大敗を日替わりで繰り返した千葉記念だったが、復調への光が深谷には見えていた。続く中2日での大垣記念を1911。昨年9月オールスターでの落車のアクシデントで左鎖骨の骨折に見舞われ、優勝から遠ざかること1年2カ月。地道な努力と師匠の金子貴志ら仲間の支えもあって、ようやく大垣で優勝にたどり着いた。
     「競輪祭を優勝するっていう目標で練習をしてきた。それが見えてきた気がするし、一歩近づいたと思います」
     賞金ランク18位。5年連続のグランプリ出場へは、競輪祭を優勝するしか道が残されていないことは、誰よりもわかっている。
     「今年は(優勝が)ないまま終わりそうだった。これで豊橋に弾みがついた。豊橋のあとは(競輪祭まで)3日あるんで、逆に調整は簡単だと思います。疲れだけですね。豊橋で優勝できれば、自然と調子がいいままで競輪祭に行けると思う」
     自信を確信へ。深谷がラストチャンスにかける。

  • 小川
  • 勇介
  • 地元の大一番で真価発揮

  •  寬仁親王牌でG1初制覇を果たした園田匠を中心に、大塚健一郎、中川誠一郎、井上昌己らタレントをそろえる九州勢。もうひとり、忘れてはならないのが小川だろう。近況はパッとしないが、地元G1にターゲットを定めて、練習を積み重ねている。
     「兄弟子の園田さんがタイトルを獲って、いい刺激になっている。次は自分の番という気持ちはある。うまくかみ合えばG1でも勝負ができると思う」
     3月の京王閣ダービーではシリーズ3連対の活躍。しかし、その後は落車もあって波に乗れていない。
     「ダービーで本当にいい手応えをつかめたけど4月に落車してしまって…。また良くなってきた頃にオールスターで落車したのが痛かった」
     小倉競輪祭は3年連続4度目の出場。「地元で気負うところがあって、成績はあまり良くないけど、もう慣れてきたし、結果を出したい」。勝手知ったるホームバンクで今年こそ上位進出だ。

  • 村上
  • 義弘
  • 集中力は切らさない

  •  魂の走りは今年も健在だ。ビッグレースの優出は高松宮記念杯のみ。9月の松戸オールスターは準決勝で敗退した。それでも記念戦線では安定した走りを披露。賞金ランキング8位でグランプリ出場のボーダーにいる。
     「この夏はちょっとしんどかったけど、毎日できることを必死にやっていた。オールスターはひとつひとつの課題に対してしっかり戦えたけど、結果が出なかったのは残念ですね」
     10月千葉記念は初日に落車して欠場。怪我の具合が心配されたが、「ふくらはぎの擦過傷がひどかったけど、思ったよりも回復が早かった」の言葉どおり、復帰戦の11月函館記念は3連勝の勝ち上がり。今年ラストのG1へ準備は万端。あとは結果を出すだけだ。
     「グランプリは特別な選手が走るレース。今の自分にその資格があるか分からないけど、競輪に対する想いとか気持ちは誰にも負けていない。常にベストを尽くして、一戦一戦頑張るだけ」

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