• 第58回朝日新聞社杯「競輪祭」11/24〜11/27

朝日新聞社杯競輪祭

GPへ残る椅子はほぼ2つ  今年もここで全てが決まる

浅井康太

浅井康太

深谷知広

深谷知広

吉田敏洋

吉田敏洋

山崎芳仁

山崎芳仁

脇本雄太

脇本雄太

平原康多

平原康多

武田豊樹

武田豊樹

インタビュー

  • 園田
  • S班として結果にこだわる

  •  「S班になって周りの見方も変わってくると思うんですけど、自分らしく走るだけ。気持ちで走りたいです。結果にこだわって、勝つことにこだわります」
     園田は1月立川記念から一貫して勝つこと、優勝することにこだわっていた。なかなか結果が出ないときでも、レーススタイルは崩すことなく。すると5月宇都宮記念でS班として初優勝。
     「とりあえずホッとしています」
     偽らざる思いが出た瞬間だった。その後は落車はあったが、共同通信社杯、寬仁親王牌で優参とビッグでも優勝争いを演じられるところまで上げてきた。千葉記念では準決敗退も「きつい中しのげたし、調子は悪くなかった。大敗はないし競輪祭までには修正して」と手応えをつかんだ。そして防府記念でも2勝。
     「どんな形であれ今回は2勝できたし、競輪祭につながる走りはできました」
     S班として勝つことにこだわった一年。地元で迎える今年ラストG1で優勝だけを目指して4日間を戦い抜く。

  • 竹内
  • 雄作
  • 攻めのスタイルを貫く

  •  9月富山の共同通信社杯で逃げ切り優勝。このまま突っ走るかと思われたが、直後にアクシデントに見舞われた。
     「親王牌の前のウエイト練習で腰を痛めてしまい、かばって走っていたら違うところも痛めてしまいました」
     寛仁親王牌は3192着。続く10月熊本記念in久留米も準決勝で敗退したが、直前の同月防府記念はパワフルな走りで決勝に進出した。
     「親王牌が終わってからは腰のケアをして、脚の貯金が作れなかった。踏み出しはいいけど、スピードを維持できてないですね」
     賞金ランクは9位。初のグランプリ出場が視界に入っているが、最後まで攻めのスタイルを貫く。
     「圏内に入ってないし、特に意識はないです。自分の持ち味を出せないで負けるのが一番悔しいし、来年につながるような走りをして、それで出れればぐらいの気持ち。不甲斐ないレースが続いているので、しっかり立て直したいですね」

  • 平原
  • 康多
  • 3度目の競輪祭Vの先に…

  •  共同通信社杯では、浅井康太と絡んで落車に追い込まれた。その怪我の影響が色濃く残るなかで迎えた寬仁親王牌を3622着。単騎のファイナルでは、稲垣裕之を僅差まで追い詰めた。
     「落車して大丈夫ってことはない。走れば、走るだけバランスも崩れていくんで、本当は休みたかった。あれが限界でした」
     満身創痍で賞金の上積みを果たして、現在の賞金ランク第8位。最後の1冠に7度目のグランプリ出場の望みかける平原だが、気負いはまったく感じられない。
     「べつにグランプリがどうこうじゃない。ただ、G1を獲りたい。その先にグランプリがあると思っているんで」
     寬仁親王牌の激闘から中17日。傷も癒えて競輪祭に照準を絞る平原が、京王閣記念を1312着。ホームの岡田征陽にVをプレゼントして、自身も確かな手ごたえをつかんだ。
     「連日(体が)動いていたし、状態は前回よりも全然いい。換えたフレームにも日に日になじんできたんで、このまま競輪祭でも使おうと思っている。まずは武雄記念ですけど、一番いい状態で競輪祭にきたい」

  • 小川
  • 勇介
  • 地元の意地で魅せる

  •  九州ラインをリードする自力型の一翼を担う小川だが、今年は2月防府で落車。その後も相次ぐアクシデントで思うような走りができずにいる。
     「腰のケガですね。横突起骨折。完璧なら(番手を選択した京王閣記念の復興支援レースも)自分でやったんですけどね」
     苦しい日々が続くも、前を向いて地元ビッグへ照準を合わせる。
     「まだ瞬間的に力をいれられないですけど、練習はできています。状態はボチボチですね。ケアしながら結果が出てくれれば。(競輪祭前の広島F1も)直前の体調を見てですけど、呼ばれている以上は仕上げて出たいです」
     今年で4年連続、5回目の出場となる競輪祭。どんな状況でも「目標は、もちろんファイナルです」と闘志は消えていない。逆境を乗り超えたその先に、きっと新たな世界が待っているだろう。地元の期待を力に変えて、今年最後のG1に挑む。

  • 郡司
  • 浩平
  • 戦えるところまで戻して

  •  「順調すぎる出だし。また次のステップに進めたんでよかったです」
     1月和歌山で記念初優勝を果たしたときのことを振り返った郡司。その後もコンスタントに結果を出していくと、高松宮記念杯では準優勝と大健闘。
     「決勝に乗れて、また目標もできました。G1優勝という目標。そのためにもう一度決勝に。まぐれでじゃなく実力で」
     どこまでいっても謙虚な姿勢を崩さない。自分の現状も冷静に分析する。
     「まだ上位に比べると安定感で劣る。脚力的な部分、レースの作り方、メンタル面も全然違います。なので地道に少しずつ積み重ねて上にいけたら」
     しかしその郡司に防府記念の準決勝で落車という思わぬアクシデントが。それでも郡司は弱気な面は見せず意気込む。
     「骨は折れてなかったけど擦過傷が大きい。体の調子を見ながら。最後の目標としている競輪祭まで、時間はあるけど多いわけではないので。ケアして戦えるところまで戻して。調整してピークをもっていけるように」

  • 武田
  • 豊樹
  • 直前の落車で窮地に立つ

  •  今年前半戦は苦しんだが、後半戦に入って復調。それでも昨年ほどの安定感はない。3年連続のSS班へ正念場を迎えている。
     「今年は充実していたら、もっと良い成績を残せていたと思います。番手戦が増えて、若い選手が前で頑張ってくれているので、自分もそこに応えたいという気持ちで戦っています。共倒れになってしまうこともあって、ジレンマもありますし、改めて競輪の難しさを感じています」
     賞金ランキングは12位。決勝2着でもグランプリ出場は厳しい情勢だ。
     「自分としてはどの位置でも全力で頑張るだけです。前がいるときはどんなレースでもワンツーを決めないといけないし、1着を取ったとしても、納得できるレースをしていかないといけない」
     直前の防府記念の準決勝で落車。右ひざを負傷して窮地に追い込まれたが、抜群の相性を誇る大会でここ一番の勝負強さを発揮する。

  • 吉本
  • 卓仁
  • 今後につながる大会にする

  •  10月は吉本にとって様々な変化のあった月だった。「何かを変えていかないといけない」。黄檗山で座禅をするなかでそう考えた吉本は地元に戻るや体幹トレーニングをはじめた。そして久留米で熊本記念が開催された際には山口幸二氏に1時間半、マンツーマンで体の使い方の指導を受けた。
     「今年の前半はよかったけど、最近はまくれず、逃げても粘れずでドツボにはまってた。京王閣記念を走って、まだ車は進まないし、スピードにも乗ってない。でも信じられるものはあるし、あとはそれを自分がどうかみ砕いていくか」
     上向くきっかけはつかんだが、目前に迫った競輪祭ですぐに成果を出すのは難しいかもしれない。それは吉本自身も承知のうえ、「まずは先行回数を増やす」。原点に立ち返って復調の道を模索する。「G1なんで結果を求めないといけない。でも、まずは自分を出せるように。出せる展開に持っていきたい」。勝っても負けても競輪祭で多くのものを吸収する。

  • 原田
  • 研太朗
  • 悔いのない走りをする

  •  昨年のダービーで初めてG1のファイナルに進むなど飛躍の一年を経て注目が集まった2016年。原田は今年最初のレースとなった1月立川で記念初優勝という最高のスタートを切った。
     「立川はチャンスがあればと思ってたけど、一発目で獲れるとは思わなかった」
     周りは否応なしに昨年以上の活躍を期待してしまう。しかし「特別の決勝に乗れてないんですね。今年は準決で負けてしまってて」とあと一歩のところで決勝をのがし続けると、7月地元小松島記念では落車の憂き目にあってしまう。
     「一回落車して落ちて。そのあと初心に戻るではないですけど、見つめ直してきました。今はいい時の感覚に近いです」
     今年のグランプリは立川開催。立川記念後に『戻ってこれれば』と語っていた。
     「あれは記者の人に言わされて(笑)。でも競輪祭を獲らないとチャンスがないんで。G1最後なんで悔いのないように、モチベーションをあげていきます」
     今年最後のG1で決勝、そして優勝を狙っていく。

  • 深谷
  • 知広
  • ラストチャンスにかける

  •  今年はここまで記念優勝が3回。ビッグレースで4回優出している。それでも賞金ランキングは10位。G1の決勝戦で大敗が続いたのが響いている。10月の寛仁親王牌の決勝も後方で見せ場なく敗れた。
     「親王牌は初日を走ったときに不安も多かったんですけど、セッティングとかいろいろ修正しながら戦えました。勝ち上がりはよかったけど、決勝でいい走りができないとダメですね」
     状態面に不安はない。あとはいかに力を出せるか。千葉記念も決勝で凡走。悪いところがすべて出てしまった。
     「すべてが中途半端でした。でも、開催を通して収穫はありました。競輪祭まで残された時間は少ないし、やれることは限られている。(グランプリに出るには)もう獲るしかないと思ってます」
     獲得賞金でもグランプリに出場できる可能性はわずかに残されているが、まずは決勝進出が最低条件だ。ラストチャンスにすべてをかける。

  • 坂本
  • 亮馬
  • 落車の試練も前を向く

  •  親王牌では決勝こそ逃したが、実に5年ぶりにG1の準決勝に進出。低迷した時期が長かったが、ようやく元の舞台に戻ってきた。落車禍による怪我の影響に加え、当時ガラリと練習方法を変えたがなかなか結果は出ず。しかし、長い我慢のすえ、ついに光明を見いだした。
     「パワーマックスは乗るけど、自転車に乗らず9割方ジムでトレーニング。心肺機能の強化、体の使い方とか。今はトレーニングのリズムが良い。不安はあったけどやっと点が上がってきたし、やってきたことが間違ってなかったと思う」
     順調にきた所で京王閣記念の落車は痛かったが、2年ぶりの競輪祭。直前までできる限りの調整をし、表彰台入りした09年以来7年ぶりの地元優出を目指す。 
     「悪い時からまたG1の決勝を目標にしてたので。前回準決に乗れたので決勝への準備をし易くなったけど、落車で肋骨にひびが入ってしまって。肘は骨折してなかったし、体は動くので治療しながら調整して、体を見つめ直す良い機会にしたい。目標にしてた110点台で競輪祭に入れそうだし、良い様にとらえたい」

  • 吉田
  • 敏洋
  • 全てを決める4日間

  •  泣いても笑っても、いよいよ最後の戦いだ。「状況が状況だからね。ここへ来て僕から11位ぐらいまで一気に詰まった。余裕は全くない」。本番を前に吉田は素直な心境をこう口にする。
     今年は静岡ダービーに地元で開催された高松宮記念杯で決勝に進出。ビッグレースでの活躍、そして賞金にばかりに目がいくが、重圧と危機感を感じながらもスタイルを変えずに戦い抜いた1年だった。「ダメでもこの1年、この半年の経験がマイナスになることはない」。この時期に、この位置にいること自体が初めての経験。「相手はコントロールできない。自分の形を貫いて、いい結果が出せるのが一番」。最後にものを言うのはそれまで積み上げてきた自分自身だ。
     G1初出場から13年。今まで何度も同じ状況にある先輩の姿は見てきた。「そこを自分に置き換えて。慌てる必要はないし、もう一度今年1年の自分の走りを振り返って、スタイルを再確認して本番を迎えたい」。集大成の4日間へ集中力を研ぎ澄ませる。

  • 三谷
  • 竜生
  • 近畿を担う若き竜

  •  今年は3月名古屋ダービーでG1初優出。成績も、10月を終わった段階で6Ⅴ、36勝と大きく飛翔している。
     「そんなに変わった感じはないですけど、成績が良くてよかったです。今年は落車も少ないし、そういうところもあるのかもしれません。あとは、考えてレースをしていますね」
     常に己と向き合った結果が、三谷をさらなる高みへと導いた。
     「自分のレースをして、残れるようにはなってきました。残れないなら、また練習してですね」
     親王牌では優出こそ逃したが、先行して3連対の好走。競輪祭は否が応にも周囲の期待は高まるが、本人は冷静にビッグへ臨む。
     「最低、決勝には乗りたいですね。でも、自分は自分のやることをやるだけ。いつも通りの走りをします」
     心技体が充実し、劇的な進化を遂げた近畿の¨竜¨。勢いそのままに、小倉の地でも暴れ回る。

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