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自分らしくコース見極め突っ込む
5月和歌山全プロ記念の初日に落車失格。そこから負のスパイラルに陥ってしまった。半年間で落車は5回。10月前橋の寬仁親王牌は3日目、最終日と立て続けに落車の憂き目にあった。
「全プロの落車から完全に流れが悪くなりました。落ちないにこしたことはないけど、落車はいつものことなんで。ケガはそんなに気にならない」
10月平塚記念は準決勝敗退。この後は宇都宮F1を走り、中5日で本番を迎える。
「いい頃に比べると全然ダメだけど、落車しなければ今より悪くなることはない。セッティングも改良の余地はある。配分は詰まっているほうがいいし、宇都宮でアタリをつけたい。自分らしい4コーナーから直線の伸びを見せられるように」
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小倉競輪場11/23〜11/26
朝日新聞社杯競輪祭
17年最後のタイトル争い
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小倉競輪場を舞台に、第59回「朝日新聞社杯競輪祭」が11月23日~26日の日程で開催される。今年のG1もいよいよラスト。17年最後のG1タイトルを手にするのは果たして…。さらに、この一戦で決まるグランプリ出場をかけた賞金争いの結末も見逃せない。2017年の集大成となる大会が、いよいよ始まる。
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インタビュー
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体と自転車のマッチさせ
今年は全日本、宮杯を優出など前半で好走を見せたが、後半のビッグでは一息の成績。それでも己を信じ、今年最後の大舞台に向けて準備を進める。
「(平塚記念までは)競輪祭に向けてきつめにトレーニングをやってきました。ウエートに重点を置いて。測定値も上がってきてるし、それをうまく自転車に伝えられるように。まだ時間はかかりそうですけど、手応えはつかめてきている」
仕上がり途中で臨んだ平塚記念では、初日特選を自力で勝ち上がるなど261着で優出。決勝は落車したが、「(怪我は)大丈夫です。しっかりもう一度体調を整えて」と幸い大事には至らなかった。本番までは残り僅か。自転車、体を完璧な状態に仕上げて、今年の集大成を小倉の地で見せる。
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やることをやってGPへ
地元、全日本選抜の準Vで17年のビッグ戦線の幕が開けた武田豊樹は、ウィナーズカップ、ダービー、高松宮記念杯と4連続で決勝にコマを進めた。
「去年は(競輪祭の決勝)2着でグランプリだったんですけど、今年は前半で結果が出たのが大きかったです」
昨年は競輪祭での滑り込みだったが、今年はスタートダッシュが物を言って、獲得賞金ランク6位でグランプリ(GP)出場の安全圏にいる。
「ただ、出ればいいっていうものじゃない。グランプリはやることをやって乗らないと。気を引き締めて。G1はいい状態で走りたいですね」
骨盤骨折の大怪我から復調気配。相性抜群のラストG1を奪取してGPへ向かう。
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2年ぶりの出場地元の意地を見せる
「今年はやっているほうですね」。1月立川記念の優勝から始まり、5月宇都宮では2度目の記念制覇。相変わらず成績の波は激しいが、ツボにはまったときの爆発力は凄まじい。9月武雄の共同通信社杯は3走目に落車。10月平塚記念は2勝を挙げているが、ケガの影響はまだ残っている。
「まだ感じはそんなによくないですね。肩を痛めて、少し違和感があります。平塚の後は競輪祭までだいぶ空くので、しっかり練習します」
地元の競輪祭は2年ぶり6度目の出場。「いつもは誘導をやっているんですが、今年は出場できますね。出るからには頑張ります」。仕掛けどころを心得ているホームバンクでスピードをフル回転させる。
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取り戻した自分の強み
賞金ランクでのGP出場の当落線上にいる郡司。多大なプレッシャーがその肩にのし掛かったことだろう。しかし、過酷な日々が精神的に成長させた。
「(賞金争いは)気にしなくなってきました。結果が出ればいいなって感じだし、悔いなく終われれば。もともと積極的なレースで結果が出ていたので、そういうのを重ねていけば結果は出ると思う」
自分自身を見つめ直して、気づいた“らしさ“。「ウィナーカップ、川崎記念のように開き直って走れています」。平塚記念での落車の怪我も軽傷で、ドラマが起きる準備は整った。本来の姿を取り戻し、夢舞台への最後の切符をつかみにいく。
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ナショナル効果で充実
東京五輪を見据えて、ナショナルチームに加入。8月に拠点を伊豆に移して新たな一歩を踏み出した深谷知広が、3年ぶりのグランプリ返り咲きに確かな手応えをつかんでいる。
「今年は競技もやって、変化の多い1年だけど。それがいい方向にいっている」
ナショナル効果は絶大で9月の青森記念でV奪取のひとり旅を演じると、続く寬仁親王牌でも決勝に進出。深谷の眠れる才能が呼び起こされた。
「今はレースも練習も充実している。間違いなく練習量は増えているし、これで弱くなるっていうことはない。疲れのマイナス以上にプラスになっている」
さらなる進化を遂げたその先に、5度目のグランプリが待っている。
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最後まで諦めずに戦う
今年は5月のダービーでビッグ初優出。6月の高松宮記念杯では表彰台にあがるなど順調に来ていた。しかし、8月オールスターの落車でその歯車は完全に狂ってしまった。
「落車の影響はあると思います。共同通信社杯でも落車して、立て続けっていうのもよくない。今は完全に空回りしてますね。もどかしいです」
今は我慢の時期。だからこそ自分らしさだけは失わないよう、攻めの走りを続けている。「今までもうまくいかない時期はあったし、諦めずやってここまで来た。慌ててもしょうがない。競輪祭でもやるべきことをやるだけ。僕はずーっとこんな感じなんで」。苦しい時期を乗り越えて、また山田は強くなる。
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悔しさを原動力に変えて
まさかの結果だった。親王牌では、9479着の大叩き。それでも現実を受け止めて、次への糧にする。
「逆に頑張りたいって気持ちになった。競輪祭が最後だし、悔いのないように。気持ちの良い終わり方をしたい」
再度、心に火を灯し、残すは道具の不安のみ。何度も相棒と向き合いながら、最後の戦いに向けて試行錯誤を繰り返す。
「千葉記念が終わったら、次(大垣記念)まで空くので。そこで、セッティングを換えたり準備をしたい。フレームも換えるか悩みますね。最後は大垣で決めます」
8月川崎G3ではバンクレコードを更新。さらに、オールスターで2度目のG1優出など初タイトルも見えてきた。全力投球の先に、栄光が待っていることだろう。
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最終戦へしっかり立て直す
防府記念を終えた段階で賞金ランクは8位。9位の桑原大との差を考えれば、グランプリ初出場はもうすぐ手の届くところにきている。「来月の今頃はどうなってるんだろう?って考えることはあるけど、あまり考えると競走が小さくなる。いつもどおりやって、ダメなら仕方ない」。諸橋はあくまでも自然体を強調する。ここへ来て心配なのが状態面。寬仁親王牌、防府記念と落車が続いている点だ。怪我は軽いが、影響がないと言えば嘘になる。
「落車するとマイナスからのスタートでキツいけど、次が本当に最後だから悔いのないように。時間があるし、もう1回やり直します。叩き直してきますよ」
残された時間でしっかりと体調を戻し、最後の4日間に挑む。
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全てを力に勝負する
まさに怪我の功名だ。「怪我しすぎて対応力が上がった感じ」。坂本は笑顔でこう話す。
「去年の12月から5か所、骨を折ってる。まだオールスターで落車した違和感はあるけど、治す順序とか、こうしたほうがっていう知識がついた」
連勝で準決勝に勝ち上がったオールスターは「表彰台ぐらい狙える」感触があっただけに落車は残念だが、今も「それに近い」感覚はあるという。
「まだまだタテ脚を直してる段階だけど、時間もあるし面白い勝負になるかな。地元地区で優遇されるところも含めて、自力じゃない総合力で勝てるように。小倉も苦手じゃないし、何とかなりそうな気がしてます」
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最後まで自分らしく
大垣記念の結果次第だが、このままいけば賞金ランク9位で競輪祭を迎えられそう。正念場となる戦いを前にしても「正直、焦りはない。一走、一走走ってフタを開けたら(グランプリ)。それが自分のスタイルだから」。桑原に無駄な力みはない。
「こういう緊張感で走ることはないよと言われたし、楽しみなさいとも言われた。楽しみたい自分はいるけど、こういうのに慣れてないので(笑)」
準決勝進出から初物づくしだったダービーで得たアドバンテージ。「9番目なんで、少しでも前と詰めて。あとは上の応援。終わったあとに5月からいい時間を過ごせたなと思えるように」。桑原は最後まで自分らしく戦い抜く。
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変化の年もいよいよ終盤
今年は変化に対応しながら戦った1年だった。2月からは伊豆に拠点を移し、ブノワ体制のもとでトレーニングに励んだ。「自分が今までやってたトレーニングと違うし、生活環境の変化もあった」。前半戦は対応しきれずに成績を落としたが、「最近やっと慣れてきた」と脇本は胸を張る。
「覚悟はしてたけど、本当にガラッと変わったので。そこにやっとですね。あとは競技でやってることをどうやってG1で出すか。出し方をきれいに出せれば自然とチャンスは出てくる」
競輪祭では今まで決勝に乗ったことがないが、「そろそろ悪い流れを断ち切りたい」と脇本は話す。競技で培ったものを出せるか。小倉攻略のカギはそこだろう。