Ｖ争いの中心には北勢を推す。渡邉一成の欠場は痛いが、それでもスピードスターがズラリ。新田祐大は後半戦に入って圧巻のパフォーマンス。輪界最強のレーサーとしての評価も固まった。親王牌と同様、無風のドーム走路なら持ち前のスピードを最大限に発揮できるだろう。グランプリ出場へ勝負駆けの成田和也、過去に２度、競輪祭を制している山崎芳仁、昨年の競輪祭を優出した新山響平、安定感光る佐藤慎太郎らと力を合わせて戦い抜く。

　後半戦は相次ぐ落車で調子が上がらない平原康多だが、この大会は３年連続で武田豊樹とゴール前争いを演じ、昨年は３度目のＶを成し遂げている。相性抜群の大会で変わり身も十分可能だろう。怪我から復調途上の武田も、ここに向けて準備を進めている。仕上がってくれば、再度平原と白熱の勝負を演じる。共同杯を制して初のグランプリが見えた諸橋愛や成長著しい吉田拓矢もと関東も戦力は充実。

　中部は浅井康太、深谷知広が軸。浅井は今年もＧ１を４度も優出などハイレベルで安定。賞金でのグランプリ出場をほぼ手にし、年末も視野に入れた大会となりそう。深谷もナショナル入りし、９月青森記念でＶ、親王牌を優出と、蘇った怪物パワーで周囲を驚愕させている。こちらも３年ぶりのグランプリへ視界良好。竹内雄作や金子貴志、坂口晃輔らと他地区を脅かす。

　南関勢は総勢22名が参戦。グランプリ出場へ賞金での当落線上にいる郡司浩平は、まさに正念場。タレントぞろいの千葉勢、渡邉晴智ら静岡勢と一致団結し、数的優位の中でレースを運ぶ。

　村上義弘と稲垣裕之の２人にとっては負けられない戦い。ともに賞金でのグランプ出場は厳しい状況。タイトル奪取へいつも以上の気迫で臨むはずだ。ダービー王の三谷竜生らと強い絆を示してＶ争いに加わる。