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気負わずにスタイルを貫く
昨年5月京王閣の日本選手権でG1初
制覇を果たした。しかし、その後は落車
が続いて結果を残せていない。年末の平
塚グランプリもまくり不発に終わった。
「昨年は浮き沈みの激しい1年だったんですけど、成長できた1年だったと思います。グランプリはあれでもまくれるようにしっかり練習していかないとダメですね。落車から日にちもかなり経ってますし、練習ではしっかりもがけるようになってます」
今年初戦の和歌山記念は決勝進出。続く大宮記念は準決勝で敗退した。「S班になっても気負わずにやることはしっかりできている。でも、もうちょっとという感じですね。大宮記念の後に支部合宿で石垣島に行くので、そこでしっかり練習して仕上げます」。SS班となって初めて迎えるG1シリーズ。スタイルを変えずに4日間を戦い抜く。
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第33回読売新聞社杯全日本選抜2/9〜2/12
読売新聞社杯全日本選抜競輪
18年のG1戦線が開幕
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2018年のG1シリーズがいよいよ幕を開ける。第33回全日本選抜競輪が2月9日~12日の4日間、四日市競輪場を舞台に行われる。初めてのG1開催に沸く四日市競輪場に輪界のトップスター108名が集結。今年最初のG1覇者に輝くのは果たして誰か。熾烈を極める頂上決戦から目が離せない。
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インタビュー
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再びタイトル奪取でGPへ
昨年後半は、輪界を席巻した新田。それは苦しみ抜いた先に手にしたパワーだった。誰よりも早く、誰よりも強く。今年は四日市で、新田劇場の幕が上がる。
「去年の2月は(競技での)苦しさが出ていなかったけど、ダービー前にはだいぶ不調になっていました。今年は去年の前半みたいにならないように、良い状態で臨みたい」
今年も競技が多忙を極め、出場機会は多くない。それでも、数少ないチャンスで己の力を存分に発揮する。「今年のグランプリは(出走本数が少なくて賞金での権利獲得が)難しくなる。確実にタイトルを獲らないといけないと思っています」。失敗に終わったグランプリでは、「隙があるラインは勝つことが難しいと改めて思った」と本業での課題も再確認。教訓を生かす新田が、18年も結果でファンの期待に応える。
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変わった目的
昨年末の大一番を制し、2度目のGPチャンピオンユニホームをまとう浅井康太。今度は支えてくれた仲間のため、ファンのための競輪で恩返しを誓う。
「(GP覇者としての一昨年は)勝ちたいってのを目標に走っていました。でも今年は人の事や周りの事を考えながら走りたい。そういうことを考えらたら成長できると思う」
今年初戦の立川記念では、連日の自力戦も危なげない走りで優出。Vこそ逃すも、「収穫はありましたね」と、深谷知が不在の全日本を見据えて4日間を戦った。
「全日本は自力で勝ち上がらないといけないし、もっと脚を付けて。1番車としてだけではなくて、上位の選手としてお客さんにもっと評価されるようにならないと」
GPを制しても、進化の歩みは止めない。地元での大一番を新たなスタイルで迎える。
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取り戻した感触
昨年は11月大垣で5年ぶりに記念を制覇すると、12月広島記念も俊敏な動きでV。幾多の逆境を乗り越えて、着実に前進してきた成果が現れている。
「怪我が奮い立たせてくれました。今はこの練習をしたらどういう成果が出るか、それが楽しい。その中で記念を2本獲れたし、G1の特選に戻れて目標が達成できました」
周囲からは完全復活の声が聞こえるが、「昔のようなタイムとか数値は出ない」と冷静に自己分析。それでも、直線で鮮やかに突き抜けた1月大宮記念の準決後には「自分でも、ホっとしたというか、ここまで戻ってくるとは。一番いい頃はこんな感じだったなって」と確かな手ごたえを感じた。そして、抜かりなく仕上げて本番へ。再度輝きだした鋭脚でタイトルを目指す。「感触よく車が進んでいるし、全日本は頑張りたい」
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連覇でGP一番乗り
「悔いはない。あれで行かなかったら、ただの選手。ああいう走りをして勝ちた
かったし、一年間、そうやってきた」
中部勢との力勝負を演じた昨年のグランプリ。結果、まくり不発もケレン味のない平原らしい潔さが、そこにはあった。そして年明けの立川記念を着でV発進。唯一の敗戦となった2日目は、先行策で別線をクギ付け。立川の長い直線に5着も、平原の競輪選手としての真髄を垣間見せた。
「もっと先行を出していきたい。赤いパンツ(S班)じゃなかった、そういう走りをしていきたい。立場もあるんで苦しいけど、もっとやっていきたい」
続く大宮記念を着。地元でV逸も18年はこれで8戦6勝。「17年の後半で結果を出せなかったぶん、今年は出さなきゃ」と、全日本選抜連覇へ態勢は整っている。
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強い気持ちを持って
昨年6月高松宮記念杯の落車で鎖骨骨
折した。当初は「年齢も年齢だし、半年
ぐらいは我慢」。そう思っていた吉田だ
が経過は思いのほか順調だった。復帰3
戦目の8月豊橋記念で優出すると、9月函館で優勝。「走るごとによくなってきた」の言葉どおり、今や怪我があったことも忘れるような走りを見せている。
来年には40歳を迎える。「今まで逃したチャンスより、これからのチャンスのほうが少ない」ことは吉田自身が一番わかっている。「今まではチャンスがあっても届いてない。何が足りないかを考えたら、あとは自分自身の気持ち。そこしかない。後悔しないように、今年は自分でも勝ちにいくってつもりでいきたい」。残り少ないチャンスをモノにするためにも今年は初戦から背水の陣で臨む。
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敗戦を糧にしっかり立て直す
今年初戦の大宮記念は二次予選で失格。グランプリでの落車明けということもあったが、桐山敬に競り負けてしまったレースを桑原は「脚力負け」と説明した。
S班として迎えた2018年。「そんなに甘いものではないと思う」と覚悟はしていたが初戦から厳しい現実を突きつけられた形だ。グランプリの落車もあり、軽めだった練習を「このままじゃダメ。平常通りに戻さないと」。一気に通常の練習へと舵を切る。
「戦える状態にしないといけない。きちんとやり直します。S班だからじゃなく、やることをやらないと。ここから上げるぐらいのつもりでしっかりやります」
初戦で味わった悔しさと焦燥感。今年最初のG1を前に残された1カ月で桑原がどこまで立て直せるかに注目だ。
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G1開幕戦で好スタートを切る
一歩ずつ、そして確実にあるべき姿を
取り戻そうとしている。「戦える状態で
グランプリに」。その一心で8月オール
スターの骨盤骨折から早い復帰を見せた
が、復帰後も一進一退の状態が続いた。それでもグランプリで2着、そして年頭の和歌山記念では「落車のトラウマがなくなってきた」と2連対で決勝戦に進出した。
「やっぱり骨盤骨折は大きかった。覚悟はしてたけど、苦しいレースばかりでしたね。今でもまだまだってところはあるけど、もうレース勘は大丈夫。あとはさらに基礎体力をアップすれば、いい形で迎えられると思う」
地元開催だった昨年大会では決勝2着でタイトル戦線の好スタートを切った。「今年もいいスタートを切りたいな」は昨年後半に苦しんだ武田の偽らざる気持ちだ。
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悩んだことは無駄ではない
一昨年、共同通信社杯でビッグ初制覇。タイトル奪取への期待が膨らむなかで、
昨年は自分の殻を打ち破るために試行錯誤を重ねた。
「共同通信社杯を獲ってもグランプリに乗れていない。それで現状を維持してもっていうのがあった。トレーニングを変えたり、新しいことを取り入れたりしたけど。去年は結果が伴ってこなかった。情けない部分もあるし、お客さんに対しても申し訳ない」
誰よりも自身が一番もどかしかったに違いない。それでもやってきたことは、決して無駄ではない。事故点の累積で1月はあっ旋がなかった竹内の18年は、2月から始まる。
「ヒザを痛めていたのもあって、休養をしてからもう1回(土台を)つくり直した。あとはレースで確認して、答え合わせをしていきたい」
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2度目のG1優出高まる期待感
昨年の全日本選抜で初めてG1の決勝に進出。その後は順調に大舞台での勝ち
星を伸ばしていった。
「一番格が上のレース、G1の決勝に乗れたことで、メンタル的なものが大きく変わった。そのあとのF1とかで自力選手の動きがよく見えるようになったり、見える景色が違ってきた。ただ、やっぱり自分は追い込み選手なんで、自力選手、それに後ろを回ってくれる選手、前後があっての自分っていうことに変わりはない。ラインの大切さをあらためて感じました」
ラインに感謝する和田は、南関地区全体の盛り上がりに必要不可欠な存在になった。
「マグレと言われないように、せめてもう1回はG1の決勝に乗りたい。全日本選抜は自分にとって相性がいいし、四日市もいいんですよ。だから期待感がある」
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目指すその先に
「もう一つ上を目指そうと。そんな時に地元でG1が決まりました」
さらなる高みを見た時に、巡ってきた機会。この大舞台に心が奮い立つ。
「これは巡り合わせだと。地元から出場は2人なんですけど。浅井さんが王者のユニフォームを着て走るし、僕も代表として最低決勝と思っています」
一層増した勝利へ渇望。今度は憧れを越えて、その先の栄光をつかみにいく。
「浅井さんがグランプリを獲ったし、身近な目標が頂点なので。でも、いつまでも浅井さんにおんぶにだっこじゃなくて。そこを抜かないとタイトルはない。今は、そこを抜くっていうのを考えています。もちろん、ラインの事を考えながら、最後はシビアに」
目指すは初タイトル。心技体を整えた坂口が、地元で大いに暴れる。
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自分らしくファンのために
昨年の後半戦は驚異的な成績。9月武
雄の共同通信社杯では初タイトルを獲得
した。初出場となったグランプリは落車
失格という結果に。「僕らしいコース取
りだったと思うし、悔いはないです」と前を向いた。
今年初戦の和歌山記念は二次予選でまさかの敗退。「ケア中心でやってきて練習の感じはそんなに悪くなかったけど影響はあった。ケガというよりも落車が続いて勝負勘や状況判断、気持ちの問題のほうが大きかった」。この後は高松記念を走って本番を迎える。「SSになって負けられないという気持ちはあるけど、僕の走りは変わらない。それをファンの人も求めていると思う。結局、G1でしか自分の走りは評価してもらえない。自分の持ち味を出して、いつもどおり走る」。執念の追い込み勝負で頂点奪取だ。