山崎芳が大会連覇
「仕上がってる」。周囲が口をそろえて評価した山崎が大会連覇を飾った。
「連覇できましたね。岐阜は相性が良い。展開も向くし、大垣も優勝している」
そうは言っても今開催の走りは圧巻だった。初日から番手に飛び付くなど大立ち回り。優秀、準決では好位確保からのまくりでオール連対の勝ち上がり。そして迎えた決勝戦。地元地区の中部は地元勢と三重勢で別線を選択したが、一策あった様子。さらに、武田らG1並みの豪華メンバーが顔をそろえる。それでも山崎は冷静に競走を組み立てた。
「今日は前受けはマズいと思った。皆斬りにくるだろうし中団か後ろで。先行するつもりがあったんで、あの(武田の内を行った)動きができたと思います」
打鐘前でハナに立った山崎は、思惑通り竹内がカマしてきて絶好の3番手を確保。5番手の武田が1センターから反撃に出るも、「武田さんの動きはわかっていました」と合わせて仕掛ける。「打鐘で踏んだから脚は残ってなかったです。竹内もかかってたけど、無理矢理行きましたね」
武田との力勝負に勝つと、さらに逃げる竹内を捕らえ、最後は猛追した武田を振り切ってゴール。4月高知以来今年2度目、そして通算16度目の記念優勝を飾った。
いつもの山崎スマイルで「たまたまです」とおどけて見せたが、その走りは輝きを取り戻している。今後ビッグでのさらなる活躍にも期待したい。
「(今後ビッグなどで番手を回ることもあるが)人の後ろはまだヘタなんで、これからみんなに迷惑をかけると思います(笑)」
武田は最後まで抵抗したが、山崎に屈して2着。
「今日は先行も考えていたけど、浅井と山崎のところで脚を使ってしまった。山崎に内をいかれたけど、まだ打鐘前だし、僕の考えもあった。ただ、まくりにいくのが遅かったね」
竹内は悲願の地元記念制覇は叶わず。
「山崎さんが3番手にいるとは思っていました。あそこで落ち着いて駆けないとダメですね。勉強不足。また練習してきます」
浅井は思惑が外れて組み立てに失敗した。
「突っ張りもザキ(山崎)さんが内をしゃくったのも想定外。最後は思い切り踏んだけどダメでした」