• 向日町競輪場開設65周年記念平安賞10/1〜10/4

後記 GⅢ 向日町 10/01

新田祐がまくりで圧勝

新田祐大

新田祐大

 2岩津裕介選手を逃がして、3番手からのまくりを決めた5新田祐大選手。前回の松戸オールスターに続き、連続優勝を達成。来月の競輪祭へ大きな弾みをつけた。

 地元勢と新田の力勝負に注目が集まった決勝戦は誰も予想できない展開だった。新田の後位で稲垣がイン粘り。岩津が打鐘で前に出ると3番手で構えた新田は内を締めて地元勢を封印。最終バック手前からまくって後続をぶっ千切った。
 「稲垣さんも村上さんも強いので、胸を借りるつもりでした。力勝負になると思っていたし、あんな展開は考えてなかった。稲垣さんも引くに引けなくなったんだと思います。斬った岩津さんもおそらく飛び付きだろうし、そうなると飯野さんや後ろの先輩たちもレースにならなくなるんで。いろいろ考えながらで難しかった。簡単に勝ったように見えるけど、気が気じゃなかった。レースとしてはちょっと申しわけない形になってしまいました」
 勝ち方にもこだわりを持つ新田にとっては不本意なレース内容だったが、今シリーズはオール連対のV。今年2冠の強さを見せつけた4日間だった。
 最大の目標に掲げるリオ五輪が来年に迫っている。今秋から始まるトラックシーズンに向けて、ナショナルチームの活動がこれから本格化する。
 「次は競輪祭。2カ月近くあるので、気持ちの面でも体の面でも1回リセットして、最高の状態で迎えられるようにします」
 進化を続ける新田が今年残された数少ないレースで最高のパフォーマンスを披露する。
 最終バックで自力に転じた芦澤が2着に入った。
 「予想していた展開と全然違いました。ちょっと判断が難しかったですね。飯野君には申しわけなかったけど踏ませてもらいました」
 地元の村上は3着に入るのが精いっぱい。
 「連日の新田の強さを見ていたら、稲垣も難しかったと思うし、勝つための判断をしたと思います。あの展開になって、稲垣の立て直しと、自分の届くタイミングを考えて、流れを見ながらチャンスを見つけようと。車自体はよく伸びていたと思います」
 前受けの稲垣はイン粘りを敢行した。
 「前受けから突っ張ろうと思っていたけど、一歩目が遅れてしまった。誘導を斬られてスローになったので引くに引けなくなってしまった。一番ダメな形になってしまいました」

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 藤木裕

 大きなけん制もなく、スタートで稲垣が前に出ると稲垣―村上―吉田―岩津―小倉―新田―飯野―芦澤―勝瀬の並びで周回を重ねる。
 地元勢の突っ張りも警戒して、新田は青板バックから上昇を開始。赤板前から誘導員を下ろすが、稲垣は引かずに飯野のインで粘る。稲垣を内に封じ込めたことで、新田は内だけ締めてペースをスローに落とす。1センターから岩津、小倉で前に出るが、切り替えもなく新田は3番手。岩津が中バンクに上がって新田の出方をうかがうが、新田は内を締めたまま全く動かない。1センターから岩津が意を決して踏み上げるが、すかさず新田もまき返して前の2人を抜き去る。バックで稲垣を締め込んだ飯野が新田に遅れると、飯野後位から自力に転じた芦澤が2着に。勝瀬を飛ばして芦澤を追った村上だったが芦澤を交わせず3着に終わった。

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