• 豊橋競輪場 国際自転車トラック競技支援競輪11/12〜11/15

後記 GⅢ 豊橋 11/12

芦澤大が勝機逃さず

芦澤大輔

芦澤大輔

 先行した8吉澤純平選手の番手から、3芦澤大輔が抜け出しⅤ。9月青森以来、通算3回目の記念制覇を遂げた。表彰式では、金メダルを首から下げ、ガッツポーズを見せる。

 金子貴が準決で姿を消すも、地元のエース深谷、浅井の中部勢は実力を遺憾なく発揮して決勝へ。それに対抗するのが西の不動會トリオ。決勝は、この両地区の激しいぶつかり合いになると思われた。しかし、蓋を開ければ、強敵にも臆せず攻めた吉澤が軽快に風を切ると、芦澤は「茨城は2車なんで、僕が早めにいっても中を割られるだけ。吉澤君を舐めるようにいきましたね」と、冷静にタイミングを見計らい直線を一気。最後は3番手の小埜をすくって直線で伸びてきた大塚を凌ぎⅤを飾った。
 「僕は何もしてないです。回っている位置が良かっただけ。正直、今開催は仕上がってなくて、良い状態とは言えなかったです。勝たせてもらっただけですね」
 ベストとは言えない状態も、巡ってきたチャンスをしっかりつかんだ。喜びを噛み締めるとともに、後輩の成長にも期待を寄せる。
 「純平は逃げた方が固いと腹を決めていましたね。すんなりの展開にできたのは、あいつの実力だと思います。3着に残ったことも嬉しいですね」
 同県の若い芽に刺激を受け、この先の戦いへ気持ちを引き締める。
 「今後は茨城勢で盛り上がってくると思うんで、僕もその一員になってトップ争いができれるように頑張ります」
 大塚は目標不発の展開から俊敏な動きで優勝を狙ったが、あと一歩及ばす準V。
 「小川君が頑張ってくれたんで、僕にチャンスが生まれました。最後の判断は迷いましたね。(勝てないのは)実力です。もう少し感覚を戻していかないと」
 果敢な先行勝負を見せた吉澤は、自身も3着に残る力走。来年のビック出場権利を手にした。
 「初日にヤラれているんで、先行しかないと思っていました。駆ける位置をギリギリまで引き付けて、全開で駆けましたね。これで来年の競輪祭の権利を取れたんで(G1でも)頑張りたい」
 人気を集めた深谷だったが、スピードが合ってしまい、外に浮いて不発。「またイチから頑張ります」と語るが、今開催の走りは完全復活の予兆とも感じとれる。また、連係した浅井も「(展開とかは)関係ない。とにかく次を頑張ります」と気持ちを切り替えた。

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 吉田健市

 号砲で飛び出した深谷に浅井―柏野が続き、人気のラインが前受け。以下の隊列は、小川―大塚―渡部、吉澤―芦澤に単騎の小埜で周回を重ねる。
 青板4角から吉澤が上昇を始めると、赤板で深谷が誘導を降ろしてから下げる。押えて先行態勢の吉澤に芦澤、小埜までが出切り、中団に小川ラインがスイッチして深谷は7番手。打鐘手前で小川が一度は踏み込むが、再び中団に収まり結局は一本棒。吉澤がそのままペース上げて最終回へ。
 深谷はホームから巻き返して出るが、逃げる吉澤の掛かりが良く1、2車しか進まずあっさり終了。今度は小川が2角からまくって出るも不発。切り替えた大塚は、一瞬の隙を突いて小埜をすくって外に弾いて直線へ。逃げる吉澤の番手で絶好の形になった芦澤が、満を持して追い込み優勝。猛追の大塚は2着まで。吉澤が踏ん張って3着。

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