激闘のダービーから中４日で迎えた今シリーズ。上位陣の疲労がピークに達し、極限の戦いが続く中、最後わずかに優ったのは新田だった。これまでシリーズ未勝利も、連日の力勝負が奏功し、終局に爆発。今年初優勝を遂げた。
　「難しいレースでしたね。河村さんの仕掛け所や、番手の武田さんや稲垣さんがどこで行くか。そういう中であの位置を取って、タイミングが難しかった。中々タイムも出てないし、皆、力が消耗してたので勝ち切れた感じでした。今シリーズは先行しても精彩を欠いて２着。優秀戦はレースにならなかった。最後は僕の力うんぬんと言うより、レース展開でした。でも、中々優勝ができなかったなかで、今回勝てたのは嬉しい。１番は同級生の永澤と決まったこと。初優勝に貢献できたかと思ったけど、２着でも喜んでくれたし、今後につながる結果だと思います」
　記念戦線は続くが、当面の目標はダービー。名古屋の悔しさを静岡でぶつける。
　「名古屋は決勝３着で、勝負をしての結果だけどヤラれたので。これから１カ月で仕上げていきたい。勝ち上がりの段階から難しいけど、まずは決勝に乗って優勝を目指していきたい」
　永澤はゴール前で詰め寄り、あわやの２着。
　「稲垣さんを退かせればよかったけど無理でしたね。新田はスタンディングからすごいスピードで行ったけど、僕は上がらなくて。付いてくだけでキツかった。２着だけどよかったです」
　牛山は決勝も差し脚を発揮し、表彰台入りを果たす。
　「ペースが上がって２周だったから一杯でした。新田君が来てたから外を踏めなかった。今回はラインのおかげ。自分はもっと力を付けて前を回らせてもらえるように。そのために１戦１戦、Ｆ１から頑張って結果を出していかないと」
　武田は別線２人を合わせる力走も、さすがに新田までの余力はなし。
　「古性君は早めにきたし、稲垣君もすぐに来たんでね。行かれる雰囲気だったね。河村君も頑張ってくれたけど。僕はとにかく１戦１戦頑張って戻すしかない」
　神山は追走一杯で、「皆強いね。武田がブロックに行ったときに俺はしっかり内を締めないといけないし脚は一杯。バックでもう苦しかったよ」と振り返る。
　古性は武田に合わされ万事休す。
　「ホームが向かい風だから車は出ないと思ったけど、あそこで行かなければ無理だし、武田さんに出られてからでは遅いので。踏み出しで牛山さんに当たってしまったのも痛かったですね」
　稲垣は自力に転じたが力及ばず。
　「古性君がチャンスのある走りをしてくれたのに、武田さんを乗り越えられず力不足でした。今回は人気になって連日迷惑をかけたけど、静岡に向けて調子を上げていきたい」