• 西武園競輪場開設99周年記念ゴールド・ウイング賞4/21〜4/24

後記 GⅢ 西武園 04/21

藤田竜が地元記念V

藤田竜矢

藤田竜矢

 6藤田竜矢選手が、直線で2平原康多選手を交わして優勝。  地元を盛り上げた4人がそろい、藤田選手(左写真下段左から2人目)の地元記念Vを祝福する。

 迷うことなくひとつになった関東勢の作戦がズバリ。数的有利な流れを作り出し、藤田が導かれるようにゴールを先頭で駆け抜けた。池田が吉田の反撃の芽を摘むように絶妙なペースを演出。平原の番手発進に、藤田は追走に専念した。
 「僕はあんまり口を出さずに、前の2人に任せてました。あとは平原の後輪だけを見ていた」
 平原の番手まくりに浮いた吉田が力尽きて、浅井も共倒れ。後ろを固めた芦澤が続いて、あとは藤田が平原を抜くだけだった。
 「自分の脚が回らなくて、抜けないと思った。3(着)までに入れれば御の字と思っていたんで、まさか優勝できるとは」
 直線半ばで平原に並ぶと、怒とうの追い込みでV。13年の高知以来、2度目の記念を地元で遂げた。しかしながら、今シリーズを迎えるまでの直近はF1の3場所で未勝利。2度の準決進出失敗と順風満帆というわけではなかった。それだけに今リーズの抜群の動きは、神がかり的でもあった。
 「また、普通の選手に戻ります(笑)。次の予選を突破できるように、一戦、一戦集中していきます」
 記念Vにもおごることなく、いつもの笑顔で藤田が後輩たちと喜びを分かち合うのだ。
 2着の芦澤が、静かに口を開いて地元勢をたたえる。
 「埼玉勢の気持ちの強さですね。平原も今日は気合が違っていた」
 吉田に屈した準決を糧に、平原が今度はためらうことなく番手まくりを敢行。ゴール前では粘りを欠いたが上位独占に納得の顔。
 「3日間ヘボいレースが多くて…。吉田さんが強いんで、昨日みたいにちゅうちょしてしまうとと思って。今日は5人いるってことを頭において発進しました」
 6番手の吉田は仕掛けるタイミングを無理やり作り出して、打鐘の4角から力任せに踏み込むが不発。
 「昨日のことがあるから、同じ位置から仕掛けても出られないと思った。今日は平原の前(池田)の力が昨日(の土屋壮)と違った。案の定、平原が出ていったけど、収穫はあった」
 大役を果たした池田は、ホッと胸をなで下ろす。
 「平原さんは失敗してもいいって言ったけど、失敗はできない。いい風に(地元を)盛り上げられた」

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 高橋京治

 号砲が鳴ると稲垣裕之が飛び出して誘導の後ろを取る。初手の並びは稲垣、吉田ー浅井、吉本、池田ー平原ー藤田ー芦澤ー山口の順で並ぶ。
 レースが動いたのは青板周回の2センターから。池田が上昇して前を押さえると、合わせて踏んだ吉田が中団を確保。引いた稲垣は8番手となり、吉本が最後尾となる。赤板を通過し、先頭の池田は2角からペースを上げてトップギアへ。打鐘が入り、池田がフカして逃げるなか、吉田が車間を詰める勢いを利用して早めに巻き返していく。最終ホームを通過し、吉田が迫ってくると、平原は外に振ってから番手まくりを敢行。吉田も抵抗していくがバックで力尽き、浅井も一緒に後退していく。これで勝負あり。平原は懸命にゴールを目指していくと、直線で藤田が抜け出して3年ぶりの記念Vを遂げた。続いた芦澤が2着で、平原は3着となる。

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