平原康が大会連覇
勝負を分けたのは赤板ホームの動きだった。先行するであろう小松崎に対し、中団は松岡も欲しい位置。平原は小松崎の上昇に合わせて俊敏に中団を奪うと、2コーナーまくりで鮮やかに前団を飲み込んだ。開口一番、「1年ぶりの優勝です」。平原は照れくさそうに笑った。
「予想以上に大地がハイペースで駆けちゃったんで。師匠(岡部)がついてるし、頑張りたかったんでしょうね。もう松岡がカマしてくるようなペースじゃなかった。最低限の位置を取らないとレースにならないし、行けるかどうかわからないけど、力を出し切って神山さんとゴール勝負。それができたんで。何かホッとしました。嬉しいです」
優勝は昨年の当所記念以来1年ぶり。今年前半も落車3回と乗り切れなかった。
「思うような結果を残せなくて、自分自身が情けなかったけど、それ(落車)を言い訳にできないし、実力のない1年と感じてた。でも試行錯誤しての今なんで、プラスに考えて。ここからいい走りをもっともっと見せられるようにしたい」
優勝の余韻にひたる間もなく、16日からはサマーナイトフェスティバルが待っている。「すぐにサマーナイトがあるし、余裕をこいてる暇はない。後半戦は始まったばかりだし、前半の分をお客さんに取り戻してもらえるように」。相性のいい小松島の地で再び強い平原が帰ってきた。
平原の上がりタイムは10秒9。さすがの神山もお手上げといった感じでクールダウンを始める。
「強すぎたね。強烈です。すごい。スピードの乗りがすごかったし、抜ける雰囲気じゃなかった。一杯です。でも離れなかったからよかった。すげえ強いです」
関東ライン3番手の高木を岡部がけん制。大きく空いたインコースを踏んだ有坂が3着に食い込んだ。
「待ったけど戻ってこないから、もう待てないよね。久々の競輪祭です(笑)」
バック最後方からコースを突いた小倉だったが4着まで。悲願の地元記念優勝は今年もならなかった。
「ちょっと遠いっすね。赤板がポイントだったけど、抵抗する間もなく貴久が(平原に)押さえられた。3着ぐらいは行きたかったけど、岡部さんのでバック入れてしまったんで」