関東がV戦線リード
SS班の4人に吉田敏洋、迎え撃つ地元勢と、各地区の戦力が拮抗していて波乱の余地も十分。初日から目の離せないシリーズだ。
SS班2人を擁する関東勢を中心に推す。今年は落車のアクシデントに泣かされ、まだ優勝のない平原康多だが別線にプレッシャーをかける重厚な走りは健在だ。5月全プロ記念では連日、武田豊に貢献。徐々に本来の躍動感を取り戻してきていたのもつかの間、続く宇都宮記念の初日にゴール入線後に落車。そのダメージを引きずったまま迎えた高松宮記念杯を着。ようやく今年初めてG1ファイナルに進出して、決勝では臆することなく先行策に出た。結果、新田祐にまくられたものの、自身が及第点を与えられる動きにはある。当所は13年、昨年と2度記念を制し、共同通信社杯春一番を含めて出場した4回すべてで優出。平原にとって、小松島はドル箱バンクだ。同地区の神山雄一郎と息の合った連係から、V戦線をリードする。高松宮記念杯では二次予選で失格の憂き目をみた神山は、リズムを修正して記念100Vの偉業に挑む。
05年の小川圭から遠ざかっているホーム記念制覇に向けて、地元勢は総力を結集する。押しも押されもせぬ中四国のエースとなった原田研太朗にかかる期待は大きい。16年の始動となった立川では、新田、平原、脇本雄といったそうそうたる顔ぶれをまくりで沈めて記念初優勝。その後は今年行われた4つのG1すべてで準決にコマを進めているように、高いレベルで安定している。直近の高松宮記念杯では着。初日の白虎賞では竹内雄を叩いて出た村上義弘の先行をまくりで飲み込んだ。組み立て面での甘さを残してはいるものの、絶大な破壊力を誇るまくりは一級品。今期まだ4勝は意外な印象の小倉竜二だが、高松宮記念杯の一次予選では3番手から直線で外を追い込んで大塚健と同着の1着。伸びは上々だっただけに、気心の知れた原田次第では、念願の地元記念Vが待っていよう。
04年に記念V、10年には4連勝の完全Vで共同通信社杯春一番を制した村上も、平原に引けを取らず小松島との相性抜群。高松宮記念杯は優出もさることながら、初日の白虎賞で竹内を叩いてレースを支配した走りでインパクトを残した。今シリーズも敢然と攻め切って、ファンの期待に応える走りを見せる。
高松宮記念杯でのG1初制覇はお預けとなった吉田だが、36歳にして充実の一途をたどっている。3連勝で臨んだ決勝では浅井康に前を委ねての8着で、その評価が下がることはない。
九州勢は園田匠、松岡貴久が争覇級に名を連ねる。6月別府での記念初Vで勢いに乗る岡村潤や、北日本勢も侮れない。