• 青森競輪場開設99周年記念みちのく記念競輪9/8〜9/11

後記 GⅢ 青森 09/08

怪物の実力発揮

深谷知広

深谷知広

 7深谷知広選手が単騎の不利を跳ね除けて見事優勝。最後方から豪快にまくって別線を一蹴した。ゴール後は、右手を力強く突き上げてファンの声援に応えた。

 まさに豪快の一言。深谷が別線を力でねじ伏せて、今年3度目の記念Ⅴを手にした。
 「前が緩んでいて、あとふた踏みでいこうと思ったら、思いのほか新田さんが早く来たので(ホームでいけなかった)。新田さんがすごいスピードだったけど、落ち着いて対処できました。佐藤さんが、ちょっと離れているのが見えて、直線まで待って。結果オーライですね」
 今シリーズは初日から抜群の走りで勝ち上がると、準決勝は先行して別線を完封。そして、単騎となった決勝は、上がり11秒0の好タイムで栄光をつかんだ。久しぶりに“らしい”走りで優勝を飾った深谷。「地元で不甲斐なかったので」と前回の豊橋記念では準決勝敗退の悔しさを味わっただけに、喜びはひとしおだろう。ゴール後はファンの声援に何度もガッツポーズで応えた。
 後半戦も中盤を経過。今後の戦いも熾烈を極めるだろう。このⅤをきっかけに、S班奪還へ巻き返しを図る。
 「(豊橋記念より)疲れが少なかったので、結果がでました。次が大事なので。しっかり今後に向けて、流れを作りたい」
 S班の新田は、深谷との力勝負に屈して準V。それでも、見ごたえあるレースを見せてくれた。
 「タイミングを取らないで、いけるところまでいったんですけど。深谷は後伸びするタイプだし、最後は失速してしまって。でも、普通の人なら抜かれないけど、深谷だから抜かれたので気負いはせず。力は出し切れたし、良いレースは出来たと思います」
 逃げた中井はまくられて8着。それでも、力を出し切って納得の表情。
 「初めて記念の決勝に勝ち上がったので、勝ち負けどうこうより、自分のレースをしようと思っていました。外に古性さんが見えて、そこから叩かれないようにずっと踏んでいました。今後につながるレースはできたと思います」
 中井とは対照的に古性はがっくりと肩を落とす。
 「ジャンで中井さんが斬った上をいこうと思ったけど、全然叩ける気がしなかった。(3番手を)取り切ったところでいける脚もなかったです。南さんにも迷惑をかけてしましました。力不足ですね」

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 内藤宣彦

 深谷がSを取り、山田ー市田、新田ー佐藤、古性ー南、中井ー三谷の順で並ぶ。
 青板周回のバックからレースが動き、古性が上昇して前を押さえると深谷は車を下げ、誘導の後ろが入れ替わる。赤板を過ぎ、今度は山田が上昇し、誘導を降ろして先頭に立つと、さらに中井が打鐘をめがけて叩いて出た。これに古性が反応して続いていくと、叩かれた山田と中団3番手を取り合う形に。中団がもつれるなか、中井は全力で逃げて最終ホームを通過。すると、新田が前と車間を詰める勢いで早めにスパートした。新田は猛スピードでまくり上げて、最終バックで全員を飲み込む。番手の佐藤も懸命にマークし、北日本ワンツー態勢へ。しかし、そこへ後方から深谷が襲い掛かる。北勢を猛追すると、2センターからさらに加速。直線で新田を捕らえると、最後は2車身引き離してゴールした。

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