新田祐、新山響がフルパワー
浅井康太が豊橋記念に続き、病気を理由に今シリーズも欠場を表明。したがって、中部の浮沈は深谷知広一身にかかることとなった。深谷は8月松戸オールスターでも2勝を挙げるなど、力強い走りを取り戻してきた。今年2度の記念優勝はいずれも浅井と連係してのものだが、心強い援軍を失った今節は自身の脚のみで活路を切り開こう。ここは実力を証明するチャンスととらえ、強力な北日本勢に立ち向かおう。
中部にかわり、新田祐大を軸にそろった北日本勢が本線となる。新田は高松宮記念杯を制してから競輪に競技に多忙なスケジュールだったが、サマーナイトで右足首を捻挫し小休止。函館記念を一本欠場して臨んだオールスターでは優勝こそ逃したが、新田本来のスピードでシリーズ2勝。戦える状態に戻っている。そして北日本はなんといっても地元記念初参戦となる新山響平に注目が集まる。新山は7月函館で記念の最速優勝記録を更新。続く西武園を圧巻の逃げで完全Vと走るたびに進化している。佐藤友和にとってもここは地元戦。ここ6年連続で決勝に進出し、10年には優勝と、さすがに過去の当所記念戦歴も抜群だ。乗り切れない近況だが、新田、新山と好目標があるここで流れを変えたい。成田和也も北日本きっての実力者。8月小倉の落車は気がかりだが、昨年の当所記念では鎖骨骨折明けで決勝戦に勝ち上がっている。佐藤同様に流れを変えたいし、その条件もそろう。
オールスターから負傷欠場している稲川翔が、怪我が長引き当所も不参加となった。しかし、ガッツマーカーの南修二が追加で参戦となり、戦力を維持。こちらも強力かつ個性派メンバーで敵地に乗り込む。古性優作、山田久徳の自力型に復調著しい市田佳寿浩、前記した南とバランスのとれた陣容だ。なかでも市田は明らかに状態上向き。オールスターは33バンクで展開に泣かされたが、7月小松島記念で決勝に進出し、8月小倉で優勝している。古性、山田は自力主体に展開に応じて柔軟な攻めを見せる機動型。追い込み陣もまくりを兼備しており、個々の能力が高い。
九州勢は吉本卓仁の復調が待たれるところ。7月広島、8月川崎と連続優出し調子を戻したかと思われたがオールスターは9着3回。レース堅実な合志正臣は吉本のデキ次第で。
S班の神山雄一郎はスジに強力な目標が手薄で苦戦を強いられそう。南関勢ではタテ脚好調な岡村潤が孤軍奮闘する。