力の差を見せ付けてⅤ
輪界の歴史に新たな1ページが刻まれた。初めて外国勢が参加したG3開催は、パーキンスがチャンスをモノにして優勝。外国人選手として、初のグレードレース覇者となった。
「(優勝できて)言葉にならないですね。実感がわくまでに時間がかかると思う。ブフリがすばらしいスパートをしてくれて、良いポジションにいられたので勝てました。日本の競輪には本当に感謝しています。競輪で100勝したし、ワールドステージ、そしてG3も勝って夢のようですね」
決勝は今シリーズ初の番手戦。しかし、来日7回目だけに、きっちり日本の競輪に順応してみせた。
「(レース前は)いろいろなプランを立てたが、渡邉や武田など沢山良い選手がいるので。ブフリの番手から日本の競輪で培ったもので、どのライダーが来るのか見て仕事をしました」
本業の競技では、リオ五輪の出場を逃して希望を失った。しかし、日本の競輪が新たな夢を与えてくれたとパーキンスは話す。
「オーストラリアではチャンピオンになったけど、リオに参加できなくて残念だった。でも、日本に呼んでもらえて、G3を勝つっていう夢を与えてくれて感謝しています」
強敵相手に完全V。「良いスタートが切れて良かった。(今後も)良いレースができれば」と日本での活躍を誓った。
連日、輪界のスター達をことごとく跳ね返した外国勢。日本勢にとっては、世界との実力差を痛感させられたシリーズだった。
伏見が渡邉の番手から追い込んで準V。しかし、アテネ五輪メダリストでも世界トップレベルのスピードに驚きを隠せない。
「一成の展開になったと思ったけど、あの上を行くんですね。絶対に行かれないと思った。決まったかと思ったけど、気づいたら(外国勢が)横にいた。しびれましたね」
ブフリが3着。驚愕のスピードで別線を一掃と日本勢に衝撃を与えた。
「一成はスピードがあるので、パスしたらびっくりさせられると思ったので仕掛けました。でも、スピードを出しすぎて、もたないかと思いましたね。3着でびっくりしています」
S班の武田は、日本勢の意地を見せられず無念の表情。
「ああいう動かないレースは日本じゃ絶対ない。対応できなかったし、人任せになってしまいました。もうちょっと何かしたかったですね」
渡邉はブフリとのスプリント勝負に挑んだが、リオ五輪の銀メダリストに敗北して7着。
「(あの展開は)予想していた。動いてくれればラッキーでしたね。合わせ切ったと思ったら、さらに伸びました。結果論ですけど、2テンポ早く踏めば、合わせ切れたと思う」