武田豊が混戦に断
豪華な顔ぶれがそろったが、武田豊樹の底力を信じる。今年は前半戦で苦しんだが、後半戦に入り急ピッチで復調が進んでいる。7月の川崎サマーナイトで準V。8月の松戸オールスターでは今年初のG1優出を決めた。そして9月の岐阜で今年の記念初V。自力のシーンは減っているが、今シリーズも関東の機動型は楽しみな面子だ。鈴木竜士、金子哲大の積極的な若手と連係してV争いを優位に運ぶ。3月の記念開催に続き、今年2度目の玉野参戦。抜群の相性を誇るバンクでVへ一直線だ。後閑信一はまたも落車のケガに苦しむが、復活へ試行錯誤を重ねている。
渡邉一成はリオデジャネイロオリンピックで日の丸を背負って奮闘。結果を残せなかった悔しさは日本の競輪で晴らすしかない。今年は2月久留米の全日本選抜でG1初制覇。年末の立川グランプリ出場も決まっている。9月富山の共同通信社杯から戦線復帰。これからエンジンを上げていく。不惑を迎えた伏見俊昭は好調時の切れが戻ってきた。渡邉とタッグを組めればチャンスだろう。
吉田敏洋は松戸オールスターで2勝し、続く小田原記念でも決勝に進出。相変わらず破壊力抜群の攻めを見せている。賞金ランキングでグランプリ出場を狙える好位置につけており、これからは一戦一戦が勝負だ。
岩津裕介は松戸のオールスターで悲願のG1初制覇。タイトルホルダーとなって迎える初の地元戦だ。当地記念は過去に3回制している。今回も地元エースとして全力で4日間を戦い抜く。筒井敦史は落車のケガを乗り越え、上昇気流に乗っている。松戸オールスターは勝ち上がりに失敗したものの、敗者戦で3度の確定板入り。地元のG3を走るのは意外にもこれが初めて。万全の状態に仕上げて結果を残す。2人が頼りにするのは原田研太朗だ。7月小松島記念の最終日に落車。その影響で精彩を欠いているが、一戦ごとにリズムは回復している。本来のパワーが戻れば好勝負だろう。
外国人レーサーはパーキンス、ブフリ、ドミトリエフがエントリー。外国勢がG3シリーズにフル参戦するのは初めてのこと。その意味でも大きな注目を集める。3名ともに昨年はF1シリーズで白星を量産している。中でもパーキンスは7V。そして、ブフリ、ドミトリエフはリオデジャネイロオリンピックのメダリストだ。日本のトップクラスの選手との対戦は今節最大の見所となる。
南関勢も郡司浩平に、海老根恵太、中村浩士と精鋭ぞろい。郡司は8月の地元小田原で2度目の記念Vと、一段とレベルアップ。海老根はオールスター3連対。中村もオールスターは6年ぶりのG1優出を果たした。 園田匠はS班の意地を見せる。度重なる落車でなかなか波に乗れないが、鋭いキメ脚は健在だ。