松岡貴が記念初制覇
届きそうで、なかなか手が届かなかったG3のタイトル。松岡が記念決勝21度目の挑戦でようやく栄冠をつかんだ。
「今までG3が獲れなかったのは自分に何かが足りなかったのかもしれないですね。獲れたことですっきりしたし、重しが取れた感じがします。最近は調子が悪かったので、優勝できてよかった」
レースは単騎の後閑が奇襲の仕掛けで最終的に主導権を握る。誰もが驚く展開にも冷静な判断力と抜群の競走センスで切り抜けた。
「深谷が前を取るだろうから、その後ろを取って、あとは流れで走ろうと考えてました。後閑さんが行く雰囲気はあったんですけど、本当に行ってくれてラッキーでした。出切った時点で、もうあと来るのは安部さんぐらいしかいないですからね。余裕はあったので、すぐにまくってもよかったんですが、確実に勝ちにいきました」
この優勝で松岡の存在感は一段と高まるだろう。来年は九州勢の中心選手として、グレード戦線を引っ張っていく。
筒井は松岡にピタリと追走。きっちり2着に流れ込んだ。
「後閑さんがすごかったですね。意外な展開になったけど、貴久のスピードが生きたと思います。あの展開で2着なら納得ですよ。しっかり付いていけたし、ワンツーが決まってよかったです」
最終バック後方から好スピードでまくり上げた安部は3着まで。
「意外な展開でしたね。でも、単騎なので一発を狙って、しっかり自分のレースをしようと思ってました。踏み出した感じがよかったので、行けるかなって思ったけど、ちょっと前まで遠かったですね。届かなかったのは力不足だし、しょうがないですね」
後閑は単騎で孤軍奮闘。思い切った仕掛けで主導権を奪った。
「どこかで仕掛けようとは思ってました。深谷が前を叩くと思ったし、ここだって思って行きました。勝てはしなかったんですが、力は出し切れました。見せ場は作れたと思います」
人気を集めた深谷は後閑の早い仕掛けに対応できずシンガリ負け。伊東記念連覇はならなかった。
「しっかり仕掛けることはできたんですけど、出切ってすぐに後閑さんが来て、びっくりしました。後閑さんが強かったです」
即席で深谷とタッグを組んだ地元の新田は共倒れに終わった。
「深谷が出切って、ちょっと流したところで、内に山形がいて締めこんだら、前まで行きそうになってしまってバックを踏みました。そうしたら後閑さんが行ってしまって…。どこかにスイッチするような脚は残ってなかったですね。展開が向かなかったし、しょうがないです」