平原康が無傷で制覇

平原康多
「声援のおかげで力以上のモノがでました。それが勝因です」
平原がファンの想いを力に変えて、大接戦となったファイナルを制した。
「稲垣さんが追い上げてきたのは意外でした。西川さんに締められて苦しかったけど、譲れないところなので。仕掛けた時にあおりがあって、稲垣さんを追う形になってスピードが死にました。最後も1着だとわかりませんでした。やっとホッとできます」
2年ぶりに地元記念を制覇。しかし、優勝までの道のりは決して平坦ではなかった。立川記念後に体調を崩し、練習不足で当所入り。初日は神山拓弥と1着同着となるも「力んでしまった」と思った走りができなかった。しかし、今シリーズ初の自力戦となった準決では巧みなレース運びから白星。「日に日に良くなってきた」と修正に成功した。そして、決勝は底力を見せて完全Vを達成した。
今年はこれで8戦7勝。そして、3連対率は100パーセントと新年からその強さを見せつけている。勢いに乗って次走の2月奈良記念、そして今年最初のG1・全日本でも暴れ回る。
「良いスタートが切れましたね。今年はしっかり頑張りたい。ちゃんと一戦、一戦自分の走りを見せたいです。去年はそれが見せられなかったので」
牛山がキッチリ続き2着を確保。1番人気に応えた。
「ホームで稲垣さんが来る前に行くって話でした。でも、それは展開なので仕方ない。前を信頼してたし、平原君が1着を取る感じでいけるだろうから、付いていけばチャンスはあると。(直線では)内にいっぱいいたので、そこだけは抜かないとと思って。1番人気で決まって良かったです」
中団外併走からまくった稲垣は、あと一歩及ばず3着。
「(竹内、長島の)どっちが先行でも4番手と思っていました。長島君はカマしに行くと思ったけど、動かなかったので(追い上げた)。中団外併走からでも行けると思ったけど…」
吉田は、チャンスをモノにできず4着。レース後は悔しさを爆発させた。
「俺は何をやっとるんだ。情けない。今日は俺が弱かっただけ。早いうちに痛い思いをしたほうが楽かなって思ったけど、ダメ過ぎる。自分が残念です」
小埜は関東勢の後ろから仕掛けたが、不発に終わる。
「一か八かと思っていきました。出切れなかったですね。3コーナーのところで牛山君はハウスして落車しそうになってたし、あれが全てでしたね」
7着に終わった竹内は、無念の表情で口を開いた。
「(稲垣の追い上げは)全然気付かなかったです。ペースで踏んでいて。でも、それで残れていないのはダメですね。(今開催から使用した)フレーム自体も今後考えます」