石井貴が自省のV
ゴール線を1着で駆け抜けると、石井貴は力強くクールに1度だけガッツポーズした。全てが狙い通り。前方では壮絶な先手争いが売り広げられる一方で、「冷静さ」が優勝を引き寄せた。
「誰よりも落ち着いていこうと決めてました。外枠なので後方になると思いましたし、その分無理をせずに。奥井さんが上がったのに合わせて高木さんも踏んでいったので、2センターからホームにかけてゴチャゴチャするだろうと。バック前に外が2車壁になってたので、しっかり脚をためながら4角までいけば大丈夫と信じてました」
一昨年、地元の松戸で大会初優勝したあとはガールズグランプリで失格。昨年、名古屋、静岡での当大会はそれぞれ落車棄権と7着。さらにガールズケイリンフェスティバルは初日に失格と、ビッグでは散々な有様。それだけに、今年最初のこの1戦に賭けていた。
「良い思い出がなかったので『何がダメなのか』と考えたときに、流れに逆らって無理にレースをしていたと反省しました。今回結果が出たのでよかったです。でも、脚力はまだ未熟なのでもっともっと叩いていかないと。そして、去年乗れなかったグランプリへ繋げたいと思います」
児玉は魅せるレースを披露し、納得の様子。
「奥井さんが動いて、高木さんも付いてくると思ったので先に前に出て合わせていこうと。ホームの向かい風がキツかったし、下りを使われると思ったけど、自分のダッシュで合わせ切れたので。最後のガマンが足りなかったので脚をつけないと。グランプリ、コレクションと自分から仕掛けることができなかったけど今回できたので」
石井貴に続く展開から、石井寛が3着に入る。
「あと1車前だったらよかったですね。悔しいです。今日は1番前を取って飛び付きを考えてたけど。隣に高木さんがいてまくりに行くのが難しかったですね」
梶田は一時は児玉の後ろにいたが…。
「児玉さんが先行してくれたならついていれば。あのままついていれば絶好の展開で優勝だったのに。判断ミスでした」
高木は大会連覇はならず。
「児玉さんも奥井さんも積極的に行くと思ってましたし、そこで踏み負けたのは力不足です」
奥井は自分のレースができず、「2車なら粘れたと思うけど3車併走では。レースにならなかった。力不足です」と肩を落とした。