初代王者は郡司浩
今年度から新設されたG2開催。初代王者に輝いたのは郡司だった。これがビッグ初制覇。強豪を打ち破って、歴史に名を刻んだ。
「(ゴールした瞬間は)1着かわからなかったんですけど、横を見て中村(浩士)さんと2人で並んでいたので、ゴール前勝負ができたかなと思ってホッとしました。(この優勝は)師匠である父親(盛夫・50期)に伝えたいですし、あとはいつも(川崎)バンクとかで練習してくださっている選手の方々にも感謝の気持ちを伝えたいと思います」
レース運びは完璧だった。後ろ攻めから動いての中団取り。人気の関東勢よりも前の位置をしっかり確保してから圧巻のスピードで前団を飲み込んだ。
「1回押さえて、前に出てから稲垣(裕之)さんを出させて、あんなにすんなり中団を取れるとは思わなかったんですけど、あとは自分のタイミングで仕掛けようと思いました。平原(康多)さんとかぶらないようにだけ。番手が稲川(翔)さんだったので警戒していたんですが、うまく乗り切れました」
昨年は1月和歌山で記念初制覇。6月名古屋の高松宮記念杯では決勝2着に入るなど、大きな成長を遂げた。今年に入ってからの南関勢の活躍は周知のとおり。地区全体が活気づいている。その流れに乗って一気に頂点まで駆け上がった。
「(今シリーズは)準決勝は慣れない番手を回らしてもらって根田(空史)さんのおかげで決勝に乗れたし、南関の結束力は見せられたと思います。決勝戦はみんなの想いも背負って走りました」
南関のエースとして郡司がこれからラインを引っ張っていく。年末には地元の平塚でKERINグランプリ2017が開催される。この優勝で出場に大きく前進したのは間違いない。
「一歩ずつですけど、G1優勝、そしてグランプリの道っていうのが見えてきました。まだグランプリが決まったわけじゃないので、本当に一戦一戦、大事に戦っていきたいです」
直線で郡司に詰め寄った中村は優勝こそ逃したものの、南関ワンツーという最高の形で締めくくった。
「追走でいっぱいでした。郡司が自分のレースを全うしてくれたので、僕は感謝の気持ちでいっぱいです」
らしさを欠いた平原は悔しい3着。
「トータルで自分の力が弱かった。対処できなかったし、何もできなかった。悔しいけど、これが今の自分の力。後ろの2人に迷惑をかけてしまいました」
まくられた稲垣は素直に完敗を認める。
「中団をもつれさせて、自分はペースで行ければと思ってたけど、平原君の威圧感があって踏まされました。郡司君が強かったですね。悔しいけど、もっと先行力をつけて、次に備えたいと思います」