• 宇都宮競輪場開設68周年記念宇都宮ワンダーランドカップ5/13〜5/16

後記 GⅢ 宇都宮 05/13

北津留翼がまくり一閃

北津留翼

北津留翼

 6北津留翼選手が、快速まくりで今年2度目の記念制覇を飾った。ゴール後はワンツーを決めた3園田匠選手とハイタッチ。表彰式では、誇らしげにトロフィーを掲げる。

 北津留が電光石火の一撃を見舞った。もつれた前団の戦況を見極めると、最終3コーナーからアタック。ゴール線を1着で駆け抜けて、今年2度目の記念制覇。レース後は、「園田(匠)さんが連覇してくれた方が話的にはよかったですね」と、いつもの北津留節で場を和ませた。
 「(初手の位置取りは)前がよかったです。でも、後ろになっても早めに動いたら一緒かなって。(武田のイン粘りは)加倉(正義)さんが予想していて、言った通りになりましたね。2センターでトップスピードに乗るように仕掛けました。(出切ってからは)園田さんに抜かれるかなって思ったけど、来なくて。でも、園田さんはすごいスピードで来るだろうから、めいっぱい踏みました。ワンツーを決められてよかったです」
 抜群のスピードを見せてのVも、満足する様子はない。さらなる速さを求め、大好きな自転車と向き合う。
 「(今後は)自転車を換えてもいいかなと思っています。(現在使っているフレームは)やわい。もう少しかたければ進むので。新しいフレームは、もう持っているんですけど、いつ出そうかなって思っていて。次のはカチッと進む自転車です。調整して使おうと思っています」
 1カ月後に迫った高松宮記念杯競輪の抱負を聞かれても、「G1はみんな強いので厳しい。そこは園田さんに任せて(笑)」と笑顔で締めくくった。いつも等身大の自分であり続ける北津留。しかし、笑顔の裏に隠れた闘争心が燃え上がれば、輪界の頂にも手が届く日がくるだろう。
 踏み出しで口が空いた園田だが、懸命に北津留を追いかけて2着。レース後は後輩の優勝を祝福した。
 「作戦通りでした。二次予選の感じで、翼に全力で行けって言っていて。翼のダッシュで口が空きましたね。悔しいけど、ワンツーが決まったので良かった。最後はマークの決まり手が付いたけど、翼が1着なので良いです」
 終始後方にいた単騎の渡邉は、九州勢を追う形で3着に入った。
 「(作戦は)北津留さんに付いていって。追い込めればと思ったけど。(2コーナーで北津留が)いくと思ったら構えて。それで詰まってしまって、バックを踏んでしまった。詰まった時に仕掛けられたらよかったけど」
 先行した山田は2センターで失速してシンガリ負け。
 「武田さんに踏まれるとは思ったけど、粘られるとは思わなかったです。あれでは、(まくり頃に)なりますよね」
 検車場へ引き揚げてきた武田は、淡々とレースを振り返った。
 「前(山田)が流すと思って、引けない状態になってしまった。中途半端になってしまいましたね」

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 福田拓也

 稲川翔がSを取り、初手は山田―稲川―北野、武田―神山―牛山、北津留―園田、渡邉の順で並ぶ。
 赤板前から北津留が上昇して前を押さえると、誘導の後ろが入れ替わる。前の山田が中団3番手まで車を下げると、北津留ラインに続いた武田が山田の外でフタをする。各車でにらみ合うなか、打鐘前に山田がゆっくり車を下げていくと、武田は前に踏み込んで誘導の横に並びかける。打鐘が入り、誘導が退避して武田が先頭へ。そこに、山田が一気にカマして主導権取りに出る。武田もペースを上げていくと、山田の番手に飛び付いた。番手が併走のまま最終ホーム、バックと通過する。山田がペースで逃げ、その後ろがもつれるなか、後方で機をうかがっていた北津留が3角から一気にスパート。北津留は天性のダッシュで一瞬にして前を抜き去ると、最後は園田も振り切って今年2度目の記念Vを遂げた。

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